闇の三位一体。その恐怖と感覚的絶望感を。

無重力状態に投げ出されるというのは、
実は想像するほど衝撃を受けた状態では
ない。そこに自分と地球との間に生じる
『万有引力』と、地球の自転による
『遠心力』との合力があって初めて

  恐怖として、その身に伸し掛かる。

この作品は、身体感覚的な恐怖と、所謂
ヒトコワ的な恐怖、そして心霊的な恐怖が
闇の『三位一体』となって襲い掛かる。
(※【王様の無知はロバの道】よりの抽出。
こちらは様々なシチュエーションに於ける
怖さに焦点を当て『恐怖』の真髄に迫る
短編集である)
題名からして、まるで海外のホラー映画の
邦訳を彷彿とさせるが、この作品はまさに
感覚を根源的に揺さぶる。

g=9.8m/s2(=980Gal)この感覚的な恐怖を
 是非とも視覚から味わって欲しい。

何故なら、読むだけなら あなた の身が
害される事はないのだから。

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