ゲームが下手すぎて最底辺ランクになっても、桃山里香知は『リーグオブヒーローズ』でマスターになるまで諦めない!
アイアン先輩
初心者
リーグオブヒーローズへようこそ
薄曇りの金曜日。
桃川里香知は専門学校を卒業後、Web関係の会社に就職した。
ようやく仕事にも慣れ、職場の人達とも仲良くできるようになった。
そんなある日のことだった。
里香知は職場の山田さんが、休憩時間中に自身のノートPCで、『リーグオブヒーローズ』というゲームをプレイしているのを見かけた。
山田さんはマウスを急がしく操作していた。
どうやら、キャラクターを移動させたり、スキルを使ったりして、相手のキャラクターと戦っているのだ。
里香知は好奇心から、山田さんに「そのゲーム、何ですか?」と尋ねた。
山田さんは、笑顔で答えた。
「これ?『リーグオブヒーローズ』っていうゲームだよ」と。
里香知は、興味津々で聞いた。
「それって面白いんですか?」
山田さんは、微笑みながら答えた。
「すごく面白いよ!これはMOBAっていうゲームのジャンルでね、MOBAっていうのはマルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナの頭文字で説明すると長くなるんだけどね、要は5v5の対戦ゲームってワケ……」
山田さんは早口でゲームについて説明する。
そんな山田さんの熱心な説明を聞き、それほど山田さんが熱弁するゲームとはどんなゲームだろう、とますます興味をそそられた。
里香知はゲーム画面を見た。
そこでは、個性的で魅力的なキャラクターが綺麗な画面で動き回っていた。
あるキャラはかっこいいスキルを使って相手を打ちのめしたり、そしてあるキャラは味方にシールドを張って味方を援護したり……。
里香知は、思わず息を飲んだ。
そして、自分もこのゲームをやってみたいと思った。
山田さんは、そんな里香知の様子を見て言った。
「無料だから、もし興味があったらやってみなよ!PCスペックもそんな必要がないしね!きっとハマるよ!」
里香知は笑顔でうなずいた。
◇◆◇
里香知は帰宅後、部屋のパソコンを立ち上げると、公式サイトから『リーグオブヒーローズ』のソフトをダウンロードする。
ソフトのインストールが終わり、ゲームを始めると、フィールドに一人のヒーローが現れた。
それと共に「ヒーローズフィールドへようこそ!」というアナウンスが聞こえた。
――どんなゲームなのかを説明するチュートリアルが始まったのだ。
里香知は、チュートリアルでこのゲームの特徴を学んだ。
『リーグオブヒーローズ』には多数の個性的なヒーロー達がいるということ。
『リーグオブヒーローズ』では、モブであるミニオン(兵士)を倒してお金と経験値を集め、ヒーローのレベルを上げて装備を購入することで、ヒーローを強化しながら試合を進めていくゲームだということ。
『リーグオブヒーローズ』のゲームの目的は、相手の拠点にある「クリスタル」を破壊するということ。
里香知はキャラクターを色々と見ていった。
どれもカッコよいし、かわいいし、そして魅力的だった。
高機動力とバーストで相手を粉砕するアサシン。
壁として立ちはだかり味方を守るタンク。
近接攻撃のエキスパートであるファイター。
味方を手助けするサポート……。
どれもこれも面白そうだったが、最初のチュートリアルのキャラクターは、遠距離から攻撃して、相手を倒すマークスマンというタイプのキャラクターだった。
なので、最初はそのヒーローを続けることにした。
そのヒーローの名前は「ラッキーストライク」というキャラクターで、とてもかわいい女海賊のようなヒーローだった。
里香知は、ラッキーストライクに慣れ親しみながらゲームを進めていった。
まずは、AI戦と呼ばれる、ボットを相手に戦うところから始めていった。
里香知は、ラッキーストライクのスキルを駆使して敵を倒し続けた。
里香知は、普段からゲームをやるタイプではなかったから、最初はキャラクター操作に戸惑ったりした。敵に攻撃やスキルを当てるのも難しかったが、徐々に慣れていった。
AI戦を重ねるうちに、なんとか敵を倒すことができるようになった。
里香知は、このゲームに夢中になっていった。
そして、毎日のようにプレイするようになっていった。
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