2月 すべての感謝と幸せを。

 ここ最近の悠さんは、いつも少し遅れてくる。

 何かあったのかな……?

 でも変わらず、悠さんは私と放課後の時間を過ごしてくれた。


「こうやって話せるのも、あと少しだな」


 あと少しって……どういうことですか?

 あなたはいつもそうやって、私に大事なことだけは教えてくれない。


 でもそれが、私のためだとわかっているから……何も言えなくなってしまうんだ。


 そんなあなたの、私に向けられた優しさに。

 その優しさに、私は救われたんだ。


 ただ、みんなと同じように過ごしてみたかった。


 友達と笑いあって、励ましあって。

 一緒に遊んだり、一緒に話したり。


 それだけのことなのに、私にはそれができなかった。


 できなかっただけでなく、私はクラスメイトから嫌われていった。

 そんな時に出会ったのが、あなたでした。


 あなたと出会えてよかった。

 あなたと出会うことがなかったら、私はきっと前の私のままだった。


 他人を信じることを恐れ、裏切られることを恐れてていた私のまま。

 君が救ってくれたから……今の私がいるんだ。


 だから――ありがとう。

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