友達を見つけた夏!

小学6年生の主人公宝地悠宇くん、通称「ぼっち」くんは、幽霊の見える子どもです。
運動も勉強もちょっとずつ苦手な彼は、お友達らしいお友達がいません。

いえ、大人の幽霊友達はいるんです。
だけど、人の友達がいなくて……。

ぼっちくんは、どちらかというと内向的で、物事を客観的にとらえられる子です。
ちょっと前だったら、「おとなしい子」「大人びた子」で説明されるんでしょうが……。

今の時代、こういう子は「コミュニケーション能力が少し足りない」と言われたりして、なかなか難しいですよね。

ひとりで過ごすこと、というか、ひとりで過ごせる能力というのは年が上がるにつれて社会で必要になってくるのに、協調性ばっかり強調されるのは変だなぁと常々私は思っています。

だけど。
友達がいると無条件に面白いこともある。

気の合う子たちと、バカみたいに大笑いしたり、たわいないゲームで真剣勝負をしたり。泣いたり笑ったりするのは本音で語っているから。

趣味や共通の話題で大人と盛り上がることはできますが……。
大人はやっぱり子どもと対等でありません。
配慮もするし、気づきも子どもより多い。
ましてや親はあくまで親です。友達にはなれない。

真っ向勝負でぶつかっていけるのは同年代の子だけ。

ぼっちくんは、この夏、大切ななにかを見つけます。
私、この物語、大人に読んでほしいなぁと思います。

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