『ぼっち』も『ひとり』も幽霊も、手をとりあえば友達になれる。

小学6年生の宝地悠宇は、友達のいない、ぼっち。
だけどそれは、学校の中だけの話。外には、彼を『ユウ』と呼んで一緒に遊んでれる仲間がいるのです。
その仲間というのが、派手なシャツ着てほっぺたに傷のあるチンピラ、時代劇に出てきそうなきれいな着物を着た姐さん。そして、落ち武者。
いや待て。そんなのと遊んでるなんて大丈夫なのと思った皆様、どうかご安心を。
この人たちは、みんな幽霊。そしてユウくんは、そんな幽霊が見えるという縁で、みんなと仲良くなったのです。
どうです、安心しましたか? えっ、幽霊なんて大丈夫なのかって? 心配ご無用。
幽霊と聞くと怖いイメージがありますが、別に誰かを恨んだり祟ったり、暇つぶしに呪い殺そうなんて悪い人達じゃありません。
死ぬ前はいい人たちだったのに、死んで幽霊になったとたん極悪人に、なんてことはないのです。

そんなユウくんと幽霊三人ですが、新しい仲間が加わりました。
ユウくんと近い年の男の子、レイくんです。
まだ幼いと言っていいのに、亡くなって幽霊になってしまうなんて。そんな悲しい背景を背負ってはいますが、だからこそ一緒に楽しんで笑顔になりましょう。
と思いきや、このレイくん、実は意外なことを隠していました。
なーんて書くと、悪霊? 悪いやつ? なんてまたもや心配されるかもしれませんが、大丈夫。この子も悪い子ではありません。
ただし抱えている事情がややこしい事態を引き起こし物語は思わぬ方向に転がっていくのです。

幽霊だって生きた人間だって、ぼっちだって個性豊かな面々だって、そしてずっと一人でいたこだって、きっかけとほんの少しの勇気があれば仲良くなれる。
幽霊たちとのワイワイしたやり取りを楽しむだけでなく、そんなほんのり暖かい気持ちにさせてくれるお話です(*´▽`*)

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