ともだちが幽霊だっていいでしょ、だって面白いんだもん!
- ★★★ Excellent!!!
小学六年生のユウくんのあだ名は「ぼっち」。
いつも一人で遊んでいることが多く、さらには誰もいない空間に話しかけ、笑い、ツッコミを入れ、ぼっちでも愉快にやっている。これぞ究極のひとり遊び!!
……に、周りには見えるのですが、このユウくん、実はひとりで遊んでいるのではないのです。彼、みえる子でして。幽霊のお友だちが三人いるんです。
と書くとホラーだ、とりつかれてるんじゃ、と心配になってきますが、ぜんぜん違います。
個性爆発。このおばけ三人衆、見た目はお化け屋敷のエキストラみたいですが、ユーモアたっぷりなんです。粋な姉御は頼りになる仕切り役、最強のお侍さんはちょっとドジだけど義理堅い、チンピラ兄貴なおばけは、クライマックスとある特技でユウくんをお助けします。
しかも素敵なことに、この三人衆、死因が笑える(笑うなよ)
ってかんじで、とにかく愉快です。
こんな楽しい幽霊のともだちがいるんですから、ユウくんはべつにさみしくなんてありません。ただ周囲の理解がないのがちょっと気になるところではありますが……。
と、そこへ、新たな幽霊が登場。
人間のともだちは苦手ですが、幽霊ならすぐに仲良くなれます。
でもこの幽霊、同い年くらいの男の子の姿をしているのです。ということは幽霊になった理由はぜんぜん愉快じゃないかも……と思いきや。
視点が切り替わり、あらたな事実が発覚します。おおっ、そういうことなのっ!?
しかし面白い展開だと喜んだのも束の間、まさかの悲劇が!!?
デリカシーに欠けるけど悪気はないクラスメイト男子に、お屋敷の病弱なお嬢様、その世話役のおばさんにパニックを起こすと若干キャラが壊れる執事の紳士。それから登場シーンは少ないのですが、インパクトがあった動く○○も面白い。
ぼっちのユウくんの周りは、生きた人間も加わり、次第に賑やかになっていきます。
登場するキャラクター、全員が愛らしい。
ラストのハッピーエンドに、ほっこりあたたかい気持ちになりました。
子どもから大人まで安心して楽しめる作品、おすすめです。