宮廷に咲くのは、オタク文化か、恋の花か?

皇帝からの要請で、後宮入りした晨星。実は彼女には既に舜雨という想いを寄せている相手がいたのですが、残念なことにその想いが実る気配はなく、やけっぱちになって後宮入りしたのです。
そんな晨星を見て、彼女を呼び出した皇帝陛下は思います。
いやなんで結婚してないの!?

実はこの皇帝陛下、晨星や舜雨の共通の友人であり、二人がくっつくことを望んでる。というか、既に結婚してると思っていました。後宮に誘ったのだって、本当は妻にするためではなく、宮官として働いてくれたらと思っていたから。
なのに肝心の二人は結婚どころか想いが通じ合ってすらいないのです。まさかこんなことになっているとはと、この二人のカップリングを推す身としてはため息だって出ちゃいます。

そんなすれ違いラブと共に本作の要であるのは、晨星に前世の記憶があるということ。前世の彼女は、日本でオタクをやっていました。

当然、この世界にはない知識だってたくさん持っていて、物語を語ったり、華ロリを作れないかと提案してみたり、宮廷にオタク文化を広めます。
実は華ロリというファッションがあること、この話を読んで初めて知ったのですが、実に可愛いのです。これはぜひとも広めてやりましょう!

ただその一方、現代日本の常識や倫理観が残っている晨星にとって、この世界の仕組みや制度は心苦しくなることもある。
そんな、コメディやってたと思ったら真面目に考えることもあるという温度差が、晨星の、そして本作の魅力です。

宮廷にオタク文化の花は咲くのか。そして、やけっぱちになってしまった晨星の恋は、どうなってしまうのでしょうか?


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