心躍るトキメキ、きらめくギャグセンス

肥前氏の後宮物を初めて読んだのは「ギャルの後宮改革」だ。
ギャルが後宮に転生するという斬新なストーリーで、怒涛の如く繰り出されるギャル語に腹を抱えて笑ったのを思い出す。
しかし、本作はそれとはまた一味違った魅力がある。

そう……今回のヒロインは、コミケやコスプレなどの文化を愛する、親近感が湧く転生オタク女子なのだ!
彼女が体験する中華風世界や後宮は、ギャル視点とは違った風景が広がっている。
しかも、前作とは違い「恋愛」要素も多分に入ってくるのだから、思わずワクワクしてしまうのも必然だろう。
ふとした部分でのギャグセンスの秀逸さはそのままに、素敵な男性キャラたちとの友情や恋愛が絡むストーリーからは目が離せない。

肥前氏が紡ぐすばらしい物語を、オタクに親近感を抱く読者の一人としてこれからも心待ちにしたい。