推し活をテーマにしたラブコメディである本作は、広義のオタク心に刺さるキュートで共感度抜群の物語です。推しキャラへの愛情が日常に彩りを与える一方で、推し活を通じてリアルな人間関係が築かれていく展開が魅力的。
主人公の有本雪は、属性特盛のオタク女子高生。可愛い魔術師ユイリィへの愛を全力で注ぎつつ、どこかで同じ趣味を共有できる友達を求めています。そんな彼女が出会うのは、無口で無表情ながらも推し活を楽しむ男子高校生・貴崎柊。彼の可愛い顔文字や意外と行動力のある一面に、読者もつい笑みがこぼれるはずです。二人のやりとりは軽快で微笑ましく、リアルでも「推し」を共有できる相手の尊さを実感させてくれます。
さらに本作の魅力は、主人公たち以外のキャラクターにも光が当てられていること。配信者の汐亜とオタクお嬢様の紅葉というカップリングも心をくすぐる存在感を放ち、脇役の小森も推し活テーマの中でしっかりと役割を果たしています。それぞれのキャラクターが個性豊か!
そして何より、物語全体に流れる『推しを推す楽しさ』が響きます。推し活を通じて仲間を得て、友情や恋愛が自然に生まれていく展開は、ラブコメらしい爽やかな読後感を与えてくれます。
本作は、ライトノベル好き、小説好き、ラブコメ好きなど『推し活』を楽しむ読者にぜひ読んでほしい作品です。キュートで温かいエピソードが詰まったこの物語で、あなたもきっと『推せる』カップルやキャラクターに出会えるはずです!
無口で無表情。無愛想な男子、貴崎柊。
こういうタイプは女性への当たりも冷たいんですわ……と思いきや。
スマホから送られてくる文章が、顔文字が、可愛すぎるんですけど!!
ヒロインである有本雪も、その可愛さに心臓を止められて三途の川送りにされていますが、読者も昇天しそう。
それだけではありません。柊はたまに声を発するのですが、なんと、脳が痺れるほどのミラクルボイス。
これは確実に殺しにかかっていますね。
しかし、可愛いのは柊だけではありません。
オレっ娘のヒロイン、雪ちゃん。おもろ可愛い。
雪ちゃんの語りで物語は進むのですが、素直なんだか素直でないのかわからない言動が微笑ましい。君も確実に読者のハートを掴んでいるぞ!
可愛いというのはこういうことか。
と、世間一般で言われる可愛さとは違った、新次元の可愛さの世界を覗き見た気がします。
一読して、まさに令和という時代に合ったエンタメ恋愛小説、といった感想を抱きました。
無口で、キュートな絵文字で意思疎通をはかりながら、いざしゃべるとイケボな少年。
一人称が「俺」であり、男前でありながら、内面はとても乙女な姉御肌の少女。
そんな二面性を持った二人が「推し活」を通して出会うところから、物語は大きく動き出していきます。
文章には勢いがあり、エッジも効いていて歯切れがよく、くすっと笑みを誘われる場面も。
個性的なキャラが多いにも関わらず、けっして荒唐無稽にならずしっかりとまとめ上げているのは、作者様の力量がなせる技だと言えそうです。
ユーモアもありつつ、一途で真剣な恋と青春の物語。
彼女たちの恋の行方を、あなたも一緒に見守ってみませんか。
きっと彼女たちが愛おしくなること間違いなしです。
もうね、殺されるかと思ったって。
このギャップに殺されるかと思ったって。
おい、死人が出るやつだぞこれは。
やめろこのギャップは俺に効く。
良いですか、あのね、無口で無表情、ここまでは良い。もう全然良い。お釣りが来るくらい最高。そこへ来て、やりとりがスマホ画面で、そこに表示されてる文章(台詞)に可愛すぎる絵文字が並べられてごらんなさいな。
死ぬって。
死人が出るって。
なんだ?ここか?私の墓場は。今日が私の命日か?
死んでは生き返り、死んでは生き返りですよ。生者と亡者を反復横跳びで行ったり来たりしてるからね。ここまでのこまめな復活はさすがのイエスキリストでも無理なやつよ。
ちょっと私の生き死にレポートで前半を消費してしまいましたけど、あれね内容としては、ツンデレのオレっ娘JKと先述の無口無表情(でもきゃわわな絵文字の使い手)の交流を描いた――、ってもう死ぬって。自分の文章で死にそう。待って待って。ツンデレのオレっ娘JKとかもう勘弁してって。渋滞してんのよ。可愛いが渋滞してる。死ぬぞマジで。辞世の句を石に刻むところだぞ。千代に八千代に苔のむすまで残すところだってマジで。
とにもかくにも要所要所でこちらの癖(ヘキ)を擽って来るのです。
しかも恐ろしいことに、この無口無表情DK、イケボの持ち主なのです。出るって。鼻からクラッカー出るって。羽間さんなんてもん書いてんだ。もう脳内でブリキの兵隊がラッパ鳴らして大行進ですよ。おいおいおいおい、普段しゃべらねぇやつがしゃべるってだけでもレアイベントなのに、そこへ来てイケボっておい。焼け野原になるって。そしてそこから新しい命が芽生えるってマジで。桃源郷生まれるって。どうなってんの。私の情緒もどうなってんの。
いつも以上にトチ狂ったレビューしか書けない身体にされちまって、どうしたらいいの私は。
ツンデレ俺っ娘(ウッ、書いてるだけでニヤつく)の雪ちゃんと、そのお友達の紅葉ちゃんとのトークも大変百合百合しく、これはこれは大変結構なものを読ませていただいて、ってお歳暮を贈るところだったんですけど、そこでウホウホしていたらもっととんでもないものをみぞおちにお見舞いされた形ですね。イケボっておい、イケボって……。
現在は1章が終わったところでして、これからしばしのお休みを挟みまして2章が始まるようです。この隙に1章を履修して、2章から私と一緒にハァハァしましょう!