魔人は慟哭を知らない

かつて人類を絶滅の縁にまで追いやり、女神と死闘を繰り広げ、十三大陸に大きな傷跡を遺した魔人ドグル。
彼は原初の時代、六度目の失楽園によって、神から追放された被造物と交わる事で誕生したとされる新人類種の近似種にして、旧人類に分類される『ベラヒェマ＝バラフ人』の最後の一人であった。
彼は放浪の旅を続けながら、自らの種族を滅ぼしたアジュルム人十七部族の末裔を探し求め、これまでに十一部族の末裔を殺戮し、滅ぼしていた。
そんな旅の道中、一家離散の憂き目にあった少女が女神に捧げられる供物にされる事を知り、彼女を助けてしまう。
彼女の名はドティアナ。
後に、ドグルの弟子として、世界中を回る者である。


魔人として、人という生命の枠から逸し、自らの権能を拡張し続けるドグル。
死なず、老いず、新人類と似た姿…続きを読む