三部作の完結編。あまりにも切なく、透き通るほどに美しい。
- ★★★ Excellent!!!
KAC2024のお題で、あえての短編連作、三部作の三作目(完結編)。
連作で別作品となっているからこそ、それぞれが印象深く、より強く胸に残る、美しい構成。
この完結編では、それまでの主人公の印象がガラリと変わるほど、衝撃を与えられます。
けれど、その〝純〟とさえ言えるような主人公の心理描写が、巧みな文章表現力によって、率直すぎるほど胸に沁み込んできました。
完結編に相応しい、全てを取り払ったかのような、主人公の澄んだ感情。
透明な花のように。
切なさもあり、哀しみもあり……。
けれど透き通るほど美しく、のんびりと流れる雲のような優しい希望がある。
どうか、同作者様の、
一作目『透明な花と終わりに』
二作目『透明な花と海』
そしてこの三作目『透明な花とそれから』
合わせてお読み頂きたいと、本気で願ってやまないほどです。