彗星の落ちる場所

　《彗星》それは古の時代より大陸に長き混乱と終末を誘う存在。三十年に及ぶ彗星の厄災から八十年の月日を跨ぎ《第六の彗星シュラハト》が到来する。彗星が墜ちてから五年後――彗星の厄災は遂に幕を開ける。
　彗星の墜落により「厄災国家」と化した「ラスヴェート共和国」が「同胞の解放」を理由に突如、隣国の「ノイエモント帝国」へと侵攻を開始した事により、彗星の齎す厄災の一つである《彗星戦争》が開戦。大陸に再び大量の死と破壊による終末の始まりを知らせる鐘が鳴り響く。
　ノイエモント帝国の学生だった少女アーデルハイトは軍に招集され、戦場でかつての親友エレナの”怨敵”として対峙する事となる。行き先の見えない戦争。各国の思惑と行き場の無い"憎悪"が交錯する暗く悲しくとも美しい「縁」と「復讐」の物語。