まず第一に面白いです、続きが気になってどんどん読めてしまう。
終始、陰鬱な空気ではありますが、時たま入る気の抜けた師弟のやり取りがあたたかく、見守り続けたくなりました。登場人物たちの個性や関係性がよくできていて、キャラの作り込みが尋常ではありません。
硬い文体な上、それなりに文字数があるので好みは分かれるかと思いますが、それらが気にならないほど文学的表現が美しい。ただのネット小説というには勿体なさすら感じます。
もっと評価されても良いと思うのが正直な感想です。これからも期待しています。
追記:作者様のXではキャラのイラストや漫画を見ることができます。可愛くて格好いい子たちがたくさんいるので是非。
本作は冒頭から強烈なフックで読者を引き込み、テンポよく展開される物語には、世界の不条理と同時に奥深さがにじみ出ています。
特に主人公二人の関係性が魅力的で、単なる師弟ではなく、お互いの深い心理描写が心に刺さります。
さらにキャラクターの葛藤や価値観の変化も丁寧に描かれています。
物語のテンポも絶妙で、救命のシーンはスピーディーで緊張感がありつつも、キャラクターの内面描写がしっかりとされていて、「人間 vs 人外」というバトルものにとどまらず、「生きる意味」といった深いテーマを読者に投げかけています。
あらゆる面から読者を惹きつける力強く奥深い作品です。
メインで登場するヒュウとシュリ。
物語にはダークな面も、彼らの軽口のような会話が所々に挟まって物々しさ一辺倒では無い、良いバランスになっています。
episode3までを読ませて貰っていますが、何処かに薄い壁を感じる探偵と助手(正確には職業が違いますが)のような関係性は読んでいて何だかもどかしくも有り、いつかこの二人が真に信頼出来る日が来るのだろうか、と期待をせずにはいられません。
依頼主と事件を通じながら今後どのような進展があるのか、物語が待ち遠しくなります。
最後に、シュリ君のクールと健気さが合わさったヒュウへの態度はとても可愛いです。