感情の機微が良い心地で、読者を物語に引き込む力があります。会話の流れが自然であり、場面移行の構成も見事です。緩急のある流れにより物語の緊張感が一層引き立っています。他者の視点からその魅力や影響力が伝えられる点もお忘れなく。キャラクターの不在が却って緊張感を高め、主要人物登場への期待を煽る巧妙な手法が光ります。
価値のない命はない。だが選べる命は少ない。そういう物語。残酷と言うよりは世界の広さと無常さによって選ぶことを求められる。大変よろしいと思いますよ。
その体に触れた者を喰らう竜を召喚してしまう、竜喚びの巫女・リコと、竜を狩る青年ビトー。こちらの作品は、幼馴染である2人が悲劇的な運命に抗い、立ち向かうハイファンタジーです。圧倒的な力で人間を屠る竜の恐ろしさ、そんな竜に果敢に挑む竜狩りのビトーのかっこよさ!そしてリコとビトーの間に紡がれる絆の物語が素晴らしく、描写の巧みさと相まって、どんどん先へ先へと読み進めてしまいます。壮大なファンタジーが読みたい方にぜひ!オススメしたい作品です!
一章15話まで読了しました。序章でリコとビトー。二人の生い立ちや抱えている事情などを丁寧に描き。一章で少しずつ動き出し始めた、二人を取り巻く各勢力の思惑。広がっていく世界観。リコとビトーの物語は、今後どのように推移して行くのか?これからも一読者として、楽しませて頂きたいと思います。
人に触れると竜を召喚してしまい、その人を襲う……そんな過酷な運命を背負った女性を守ろうとする主人公。そのために、竜を斬ることのできる剣技を極めます。彼女を泣かせないために……そう思っても、邂逅する運命や強敵とのしのぎ合いの中でそうもいかず、切なさがこみ上げます。竜や好敵手との激闘を乗り越えて。壮大なスケールの世界観の中で紡がれる純愛。必見の価値ある一作だと思います。