見たことがないからといって存在を疑ったりしない

 実際に見たことはなくても、ソレの名前は知っているし特徴だって説明できる。
 主人公場合、ペンギンを知っていても見たことはない。
 だから、この物語にはペンギンがでてこない。
 

 ペンギンSFアンソロジーの企画からきた自分は、この物語を読んで驚きました。
 ペンギンがでてこないのに、ペンギンが作中で重要な役割を果たしているのです。
 この発想は非常に面白いです。
 「ペンギンSFアンソロジー」の作品を書こうと考えるとき、ほとんどの人はペンギンを登場させる前提で、どんなペンギンを設定しようかと考えるでしょう。
 ところがこの作品は、あえてださないことでペンギンにたくしたメッセージを強調しています。

 哲学的で、読んだ人の心に響きます。おすすめです。

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