ぽぅと灯るろうそくの火のような、そんな余韻。

ペンギンは大層可愛らしい――

上記一文で始まるこの物語は、作者の方の書くとおり、ペンギン自体出てこない。
どういうことか。
それは実際に読んでもらうこととして。

柔らかな語り口でとうとうと、染みいるように紡がれるお話は、身近な、あるいはちょびっとだけ遠い親戚のようでいて。
心のうちに輪郭をともない、住みつくだろう。

ぽぅと灯る蝋燭の火のような、そんな余韻に今、浸っている。

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