タグに興味を持って、本編を読みました。
そりゃコンテストに応募するのだから、つまらないものを書くわけがありません!
あとから追加されたであろうタグは涙の叫びのように見えて…。って、本当に〝なんで〟なのでしょうね。つかみのあるスタート、ハイテンションな主人公、これはかなり面白いですぞ。
なにより主人公がいいですね。物事を悲観的にとらえない思考回路のおかげで、多少理不尽な目にあっても安心して読み進められました。
この独創的な語りはつい目で追ってしまい、あまり本を読まない子にもオススメです。
ストーリーも良質で、コントのようなやりとりで笑っていたら終盤で感動します。
十三階段は優しく、八咫烏との鬼ごっこは年齢によって感想が変わりそうなので興味深いです。
そして、最後の最後で意外な展開。
ずっと、泥団子のエキスパートにはなんらかの伏線が張られていると思っていたので「えぇ!?」となりました。
軽妙な語りが特徴的なオカルトバトルはまだ続きそうですね。(完結済みなんですけどね)
子供の頃はそばにあった不思議を、どこで信じられなくなったでしょうか。
おもちゃは知らないところで動いているかも。
夜の学校には別の時間があるのかも。
見えない世界が、本当は隣にあるのかも……。
子供の頃にはワクワクして信じられていた不思議を、歳を取るにつれて、気のせいだ、いつまでも子どものようなことを…と思い込んでしまいませんでしたか。
それが大人になることだと、言い聞かせて。
感じるままに、信じるままにいられたら、世界はもっと広く色鮮やかなものであったのかも……。
そんな風に感じさせてくれる今作品、第13回角川つばさ文庫小説賞への参加作品です。
物語の導入部こそ、ぶっ飛んで感じるほど引き込まれる面白さですが、読み進めれば進むほど、大人が考えるべき部分も多いものです。
童心を振り返り、手放したものを思い出す。
そんなノスタルジックさもありつつも、子供らしい別世界でのバトルでワクワクもさせる。
作者様ならではの素晴らしい世界観を、せひお楽しみ頂きたいと思います。
オススメです!
この作品の魅力は色々有りますが、さすがに職人芸といえる緻密な作風の作者様だけに、導入や見せ場が完璧で完成度が高く、安心して楽しめます。
どのエピソードも高水準の内容を楽しめます。
その数ある要因の一つとして主人公の少女ミチカちゃんの破天荒だけど、地に足の付いた太陽のような魅力が大きいです。
これで初見からグイグイと作品の中に引っ張ってくれます。
そして、どの立場からもその立場の視点や思うところ、心があるのであやかしも含めてみんなが息づいており、作品の都合のために存在するキャラクターが居ないのが素晴らしいです。
みんな作品世界で自分の望む事のために生きています。
それでいて明確な悪が存在しない世界観も、児童文学らしく子供も安心して楽しむことが出来るし、どのキャラクターにも感情移入できる。
そう、この作品はどのキャラクターも意思や背景、主張があるので誰にでも感情移入できます。
そして、それらに負けてない主人公ミチカちゃんの個性。
そして「誰でもそこに居る意味があるし、いていいんだ」そんな事を感じさせる優しい空気も個人的に大好きです♪
作者様らしく、要所要所に心震える場面もあるなど、盛りだくさんのシロノワールみたいな一作です♪
ぜひ職人の練り上げた1作を楽しんでいただければと。
自信を持ってオススメします。