ただの女の子じゃなくなると、いろんなことが見えてきた
- ★★★ Excellent!!!
物語に触れていると、ステキなシーンを目の当たりにし、魅力的なキャラクターにであう瞬間があります。
この感動を忘れないうちに、文字に残しておきます。
手に取った物の記憶を読み取れる能力に目覚めた萌乃香ちゃんは、この能力を活かして落とし主に届けています。
ところが、とあるぬいぐるみの思い出を覗くと持ち主の顔が真っ黒。悲しい理由で捨てられてしまったのです。そんなの可哀想だと萌乃香ちゃんは引き取ることに。
楽しくて嬉しくて最高だった思い出。
それなのに顔が見えない持ち主。
だけどある日を境に思い出が変化します。このシーンが『ワンダーランドのおひざもと』で一番印象に残りました。
あの時捨てられなくて本当によかった。
傷ついたままで終わらなくて本当によかった。
どんなにつらくて悲しくても、とりあえず生き続けていれば「ひょんなこと」で好転するんじゃないか。そんな希望を感じました。
このエピソードを読んでぴょん太が断トツで好きに……と思いきや、さらに上回るキャラクターが現れました。
なんと白鳥さんである。
12話の激昂するシーンで「この子はプライドをしっかり持っているんだ」と一目置いていたのですが、14.15話で一気に好きになりました。とくに別れ際に放ったセリフにしびれました。まだ子どもなのに、心が強くて堂々としていて、かっこいいです。
正しい人は優しくないから苦手。そんな認識を抱いていただけに、白鳥さんの存在は凝り固まったイメージを覆してくれました。
まさか、こんな体験が出来るとは思いませんでした。物語の力を改めて認識しました。
非常に面白かったです。