魔力駄々洩れ転生者は穏やかに暮らしたい

異世界に転生した極平凡な村の男。名はベネット(20)。
彼は転生者だが、望んだのはただただ平穏な人生であった――のだが、担当した新任の転生神の手違いで今代に転生する勇者のひとり、大賢者に委ねるべき神にも匹敵する魔力を押し付けられ、肉体に宿してしまう。
だが、その神域にも匹敵する無尽蔵の魔力を持ちながらベネットは生まれつき魔力音痴――一切の魔力を感知できず、かつ魔術が使えないマンチであった。…既に転生から二十年。
幸か不幸か、ベネットの身から漏れ出した恐るべき魔力に周囲の者が気付くことはなかった。
…しかし、長年の魔力放出によって村を覆う森周辺の環境や魔物群。
そして、世界へと無自覚の内にベネットは変化を与えていたのであった……。