真夜中のショコラトリー

ちょっと嫌なことや、落ち込むことがあった時に、そっと寄り添ってくれるお店や物って自分にもあるなぁ、と読み終わった後に思いました。
そして、そんな小さな宝物を思い出すきっかけだったり、探してみようかなと思うことやエピソードって誰にでもあるなと思いました。

そんな気持ちをそっと思い出させてくれる読了感が心を穏やかにしてくれました。

名前も知らない、素性も知らない、けれどそんな距離感が心地よいと思える関係ってあるよな～とも思いましたし、ネットの世界もそんな連続であるとも思いました。（素敵）

そして、あまりにも素敵でしたので、偲さんの了承を得まして、配信で全編朗読させていただきました。ありがと…続きを読む

慣れない仕事に、理想と現実のギャップ。そして失恋。
「家に帰りたくない」
そんな彼女が行く場所は、ショコラトリー・スリジェ。

落ち込んだ時励ますだけでなく、感傷に寄り添うようなチョコレート。
慣れない始まりがあって、寂しい終わりがやって来る。そんな繰り返しの日常にある、優しいお話です。

雑貨店に就職した社会人一年目の“さくら”は、あるときチョコレート専門店を見つける。『ショコラトリー・スリジェ』という名のお店には金髪美人な店長さんが一人。

とても心穏やかになる素敵な作品です。慣れない仕事への疲れ、失恋の痛み、それらは全部美味しいチョコレートで吹き飛ばしましょう。

新しいお店や人との出会いを通して、さくらの気持ちはどう変化するのか？とっても面白かったです！

作者様のことば選びの繊細さとおいしい表現の素晴らしさは保証します。
読んでいるとチョコレートの味や香りをふと感じるようです。
「ショコラトリー・スリジェ」のような素敵なお店を見つけたいと思いました。

ただ甘いだけでなくほろ苦さもあり、読めば前向きになれるお話です。
あなたもぜひ、「ショコラトリー・スリジェ」へ。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（128文字）