穏やかな。


古から伝わる不思議な技術をもつ一族のおはなし。
主人公は自分に興味をもって追いかけ回してくる女子と、あるいは共に暮らす仲間たちとともに、とある因縁から一族を狙うものたちと対立するのです。

これだけ書けば、まったく王道のアクションファンタジー、ということになりそうです。
もちろん、そういう側面もなくはない。
なくはないけれど。

作者さまが描きたかったのは、たぶん、その一族のうつくしさ。
村の風景の、あるいは暮らしぶりの、そうして、住まうひとびとの心映えの。
まわる、めぐる生命のなかで、その一部であることを充分に理解して生きる一族の。

作者さまの、お人柄だと思います。あるいは優しさ、あるいは愛情。
あるいは、世界に対してもっている、そのやわらかな視線。

ずっと癒されながら拝読していました。
はじめから、おわりまで。
ぽかぽか、あたたか。

ご一緒しませんか。
穏やかな、だけど生命にあふれた、みちゆきを。

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