古から伝わる不思議な技術をもつ一族のおはなし。
主人公は自分に興味をもって追いかけ回してくる女子と、あるいは共に暮らす仲間たちとともに、とある因縁から一族を狙うものたちと対立するのです。
これだけ書けば、まったく王道のアクションファンタジー、ということになりそうです。
もちろん、そういう側面もなくはない。
なくはないけれど。
作者さまが描きたかったのは、たぶん、その一族のうつくしさ。
村の風景の、あるいは暮らしぶりの、そうして、住まうひとびとの心映えの。
まわる、めぐる生命のなかで、その一部であることを充分に理解して生きる一族の。
作者さまの、お人柄だと思います。あるいは優しさ、あるいは愛情。
あるいは、世界に対してもっている、そのやわらかな視線。
ずっと癒されながら拝読していました。
はじめから、おわりまで。
ぽかぽか、あたたか。
ご一緒しませんか。
穏やかな、だけど生命にあふれた、みちゆきを。
まず第一に、こんなふうに人を癒し治す力がある真識人を
もっと大切にして保護して欲しい、などと真剣に思いました。
自然に溶け込むように癒され治される身体。
こんなふうに病が癒えたら理想的です!
しかし、真識人は狙われる存在だから、正体がばれないようにひっそりと生きていく。
そのひっそりとした存在そのものが既に魅力的です。
もっともっと、広がりのある大きな話だなあと、45話まで読んで思いました。
真識人。
真を識る人。
自然の調和や循環が視えているよう。
優しく、なんて素敵な人たちなんだろう?
心が疲れたときに、この村に行きたいものです。