光を失っても、光は失われない

必要なことは作品の中に全て描かれていると思います。
それ故、心をのせた感想はどれもネタバレに、ネタバレを回避すると「解説」になってしまいそうで……
でも、実際はいろんな描写が絡み合って、より深くに誘ってくれる。そう思うので、これは物語としての形じゃないと受け取れないし、その形が一番美しい。そんなふうに思います。

このレビューは閉じられているし、コメントと違ってお返事の機能もついてないので、以下は伝わることも意識せず、好き勝手書かせていただきます。

主観的現実と客観的現実、障害受容。見える・見えない情報だらけの世界。など。私自身の構成要素と重ねつつ、でも、もっと踏み込んだ世界を見せていただいたな、と思います。
トリックスターやシャーマンといった言葉もグルグルしているのですが、そちらについては詳しくないので、繋がりはしません。でもそのグルグルしてる感じが心地よいです。

命が失われる瞬間って、何かが抜けるのがハッキリとわかります。風船の空気が抜けるように全身が沈んで、魂が抜けるとはこういうことかと。
でも、ウッドチャックのエピソードは萎むのではなく、押し返す方が取り上げられていて、印象的でした。
光って言葉は、視覚や望みを表すこともあって、息って言葉は生命、生きることを表すこともあります。
楽器に息を吹き込むのはそういうことかもしれないし、ウィンドチャイムもそうかもしれない。それは風で、言葉で。互いに触れることで、届くことで音が鳴る。

風は地表を巡っていて、木々の葉を揺らして、そして……
息継ぎは綴りを変えたら祝福で。
またグルグルとし始めて、際限なく広がります。それもまた心地よいです。

グルリグルリと、書かれていたことにも書かれていなかったことにも思いを馳せています。
それらは的外れかもしれませんが、それもまた世界だとお許しいただけましたら幸いです。

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