ドント・ウォーリー。愛が見えないのは、あなただけじゃない。

貧困、疾病、失恋、死別。思いもかけない時に、突如として様々な絶望が降りかかってくることがある。すべてを失った、もしもあなたがそう感じた時には、是非この小説を読んでみて欲しい。
ここに書かれているのは、視力を失った少年が導きを得て、自分が愛に包まれていることに気付く物語。
そう聞くとあなたは、導きなんて都合のいいものがそこらに転がっているわけないじゃないか、と憤るかもしれない。そうじゃない、探そうとしなければ、それは視力があったって見えないんだ。
人の悪意ばかりが取りざたされるこんな時代でも、誰かがあなたをきっと見守ってくれている。自分に素直になれば、きっとそれは心の目で見えてくるはず。そしてこの小説は、うつむいているあなたの背中をきっと押してくれる。
さあ、顔を上げよう。「いちばんたいせつなことは目に見えない」、テグジュペリの言葉通りに。

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