概要
俺たちは全員で帰還を目指す
それはありふれたクラス召喚だった。異世界の王国に突然クラスごと呼び出された『道立山士幌(やましほろ)高校一年一組』二十一名と先生がひとり。入学式から三日目の出来事である。ただし山士幌町は面積こそ広いものの人口が少なく、小中高は一校ずつでしかも一学年一クラス。つまり全員が十年近くの顔見知り。
そんな学生たちの中、この春に山士幌に引っ越してきたばかりでまだ友達も少ない主人公、八津広志(やづこうし)は、召喚の際にこちらの世界にあるルール『神授職』に基づき【観察者】という職を得ていた。どうやら直接戦闘には向いていなさそうで実に微妙だ。他のクラスメイトたちが【聖騎士】や【聖導師】などという強そうな神授職を持つのを知り、この手の物語に造詣がある八津は追い出されてしまうのではないかと不安を持つ。
だがこの
そんな学生たちの中、この春に山士幌に引っ越してきたばかりでまだ友達も少ない主人公、八津広志(やづこうし)は、召喚の際にこちらの世界にあるルール『神授職』に基づき【観察者】という職を得ていた。どうやら直接戦闘には向いていなさそうで実に微妙だ。他のクラスメイトたちが【聖騎士】や【聖導師】などという強そうな神授職を持つのを知り、この手の物語に造詣がある八津は追い出されてしまうのではないかと不安を持つ。
だがこの
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!理想のクラスに恵まれた転移
疎外感を感じて、オタク知識もあったがために、追放にびくつく主人公が馴染んでいく話。先生も含めてクラス全員が理想のムーブを外さない村社会の良い点だけ掬ったような仲間たち。試行錯誤していく様子も、各々の個性も心理描写も丁寧に拾い、拾うことに便利な主人公のジョブがよく考えられている。
惜しむらくは、心理描写、環境の考察にページを割くことが、話の進みを激遅にしていて、イベントも変化もある割に、堅実過ぎてカタルシスが薄く感じられた点。レベルも熟練度もある世界で、リアリティのある歩みをするとこうなるんだろうな。
しかし堅実な描写がこんなにも長編で存在するだけでも貴重である。埋もれるには惜しい。