第10話 ファストストーリーザデイ 1
チュンチュン チュン 鳥が可愛く枝で鳴いている感じの場面……
「ダアアアアアアア!!!!!」
!!バサバサバサバサバサ!! 突然の大声で一斉に飛んで行く
「……… 朝っぱらから何よ?」
「はあ〜〜っ!? アンタねえ、私らバルブとかいう変なの倒して皆んな助けたわよねー?」
「まぁ、 そうね?」
「なぁにが そうね? よぉ〜 なんで、 なんで皆んな見舞いの一つもないのよおーー!!!」
「………それなりの大人数で来てくれたじゃない」
「確かにそうよ? でも誰かさんとの会話見られたせいで皆んな逃げ帰っちゃったけどねっ!!」
「それにここ、王宮だしね……」
―――――――――――――――――――――
三日前
「ハッハッハッハッ!! いやいやご苦労だったな「あ、あのお〜」
ミトンよ 初乗りのY_ROIでバウム騎士とバルブの連中に勝つとはのう
「いや、だから、」
勲章でも式典でもあげたいぐらいだよ!
「そのぉ……」
これで議会やら貴族連中も黙らせられるわい! ハッハッハッ!!!」
学校の医務室(超ハイテク設備充実)で全身包帯グルグル巻きでデフォルメミイラの人形のようになったミトン他二人の前でレブル王がニッコニコのハイテンションである
ちなみに、後ろの医務室の入り口にはちょうど入ってこようとしてレブル王を見て固まった見舞い連中(クラスメイトで一応の知り合いとクソみてぇな思惑ありありの奴ら)がいる
「いや、 納得できねええええええ!!!!!!」
(包帯で超モゴモゴ声)
「喜べミトンよ! これだけ実力を示せばうるさいヤカラも表立って手は出してこん!
いやあ、 本当によくやったぞ!! うんうんっ!」
「いや、 私大怪我してましてぇ え? この状況で?
手放しで喜べねえええええええーーーー!!!!」
「ハーハッハッハッハッハッ!!! あぁ、それと ミトン、 バウム騎士カトラーリー、 シューティングバレッド(鉄砲玉)エイトー王子 すぐに我が城で整備と調整を受けてくれ ……そこにいるかな? フレクとやら」
もうミトンの受け答えでヒヤヒヤで礼儀も忘れ棒立ちしていた生徒達
「は、はっ! ええっとぉ、 居ます!!」
第一声からもうダメそうなフレクの返しを見てついに耐えられなくなり逃げていってしまいフレクもガッチガチである
「よし、 すまないが君にも来てもう 構わないか?」
「!! えっ、 あっ! はいっ!! わ、私などが……?」
「当たり前だ ナショナルコンポウザーは多い方がよい まして生の戦闘を見たお主はそこらのテキトーな奴らよりよっぽど信用できるわ
三騎の整備についてくれ もちろんアシスタントなども呼んでくれてかまわん
入れ!」
バッ! 王の声に合わせ騎士?が数名入ってきて3人のベットと医療機材をそのまま回収していく
「あ、えっと…」
「んっ? あぁ すまぬな、もう行ってよいぞ ガレージでフローターを待たせている 騎体と一緒に乗って来るといい」
「はいっ!」
だだっ! と駆け出す
――――――――――――――――――――――――
「それでえ? あれこれ騎体も身体も調整受けて、フレクはずっとガレージに缶詰…… せっかくこっち(異世界)に来たのにこれじゃあ前と一緒よぉ…」
「?…… それはまた随分と…… まぁ 学校の方は私達がマトモになるまで休校なんてことになってぇ、 それにしてもまさか学長(国王)が自ら出てくるとはねぇ」
「本当よねぇ 私達3人も動画で見たけどあの生徒達の驚ようと言ったらもう 傑作だったわよねー 皆んな各々の礼儀作法でやるもんだから列もガタガタよ ねぇ?エイトー陛下?」
「エイトーでいいって それにしても何故2人して説明口調に?」
「別にぃ〜 あっ、 明日から歩いて大丈夫なのよね 確か?」
「ええ 一応、ね?」
「やったあっ! これでようやく買い物よ!! あっ! おーーい! フレクー!」
と、 病室の前をフレクらしき少女が横切るのを見たミトンは呼び止めるが何故か素通りしてしまう
「フ〜レ〜クぅ〜 ちゃーんっ!」
と言いながら我慢できないミトンは ガバッ!と抱きつき スリスリ撫で回す
しかし
すぐに異変に気づく
「あれ? フレク胸育った?」
シュバッ! ガシイイッ!!ブニュッ! 「うえっ!?」
突然フレク?がミトンの顎を下から掴みほっぺをブニュッ!とさせる
騎士並みの凄い力である
「
「あなたですねっ! お姉ちゃんたぶらかしたポッと出騎士ってのいうのは!!」
「あぁ〜 そうきたかあーー…… ヤキモチ焼いちゃったの〜 やっぱり姉妹、可愛いいーーなあーーー
私は別に姉妹両方でも問題ないわよ?」
「ハアァ〜〜〜〜〜」 カーリーのクソデカため息
(ん? なんかフレクが私に惚れてる前提でハッタリ言ったけどどうしょうっかなあ〜 まぁそもそもフレクが私なんかに惚れてるわけないからどうともならないかなあーって)
↑↑実のところベタ惚れである!!
「エヘヘ… 冗談だよ 冗談……」
ガシッ! グイイイッ!! 「えっ!? ちょっ!」
「でええええっっっ!!!」
グオオオオオッッッ!!!!
「グワアアアアアア!!!!」
腕を掴まれ豪快に投げられ叫びながらも器用に空中で体制を整えベッドに座るミトン
「へへへへ」
とミトンの抜けた笑いを見て、カーリーはまた
「ハアァァァァァァ」 とため息
多分コイツはずっとこんな調子なのだろうと呆れつつ聞く
「それで、あなたは?」
「はいっ! トウツキ学園(ミトン達の通う学校)一年
のコフレです
あなた方と同じ、パーソナリティ養成科です」
――――――――――――――――――――――――
その後、ミトンは終始ヘラヘラしコフレはプンスカ
カーリーとエイトーはもうどうしたもんかと頭を抱えている
怪我人とガキとはいえ騎士が部屋の中でケンカでも始めれば一大事なのだ
「もう! コフレったらどこまで…… あっ、」
「「「「あっ、」」」」
「だあああああ!!! すみませえええんっっ!!! 妹が何かやりましたかあああああ!?!?!?」
ズサーーーーーー ガッ! グシャアアア!!
とフレクが頭からスライディングしつつ途中でコフレを捕まえ一緒に地面に擦り付け土下座させる
「ちょっ、 ちょっとお姉ちゃん何して…」
「私の妹が何かご無礼を! してしまったはず! 私達2人とも連日の作業で正常な判断が……! 何卒、 何卒ご容赦ください!!」
あまりにも鬼気迫る勢いで謝り倒すものだから若干引き気味のミトンが言う
「い、いやいや、 良いよ 何もやってないしどっちかと言えば私が調子に乗っただけだし… 本当に大丈夫だって… ね?」
フレクからすれば会ってそこまで時間も会話もしていない、それも あのシリカと親しいほど高位の騎士(本当はそんなことはない)である
もう親しい友達として接してくるミトンとはそもそものものの見方が違うのだ
しかしミトンは気を使う、使われる関係について"理解"はしている
ただフレクはそれをする必要がない親しいあいだがらと考えている
つまりミトンからすれば全くわからない話なのだ。
ちなみに今後もこのズレは治らない
フレクが合わせてくれるしかないのだ!
がんばれフレク!!
数分後
「もお〜 私とミトン様はそんな関係にはまだなってないんだって コフレちゃん... (ズボッ!) ウヘヘ」
フレクは、ベットに座るミトンにどうにかくっつこうとギリギリまでスリより出来るだけベトベト触りつつミトンの包帯を巻き替えている
そのどさくさに紛れて包帯の一番素肌に近い部分をポケットに突っ込んでいたのは内緒である
用途はお察しである
「そうそう ……まだ? ……(気のせいかな?)」
フレクのこぼした超重要な一言、気づきはするがイマイチ気に留めない
それがミトンである
しかしそこに気づくのがこの妹、
「ンヌヌヌヌ……… あっ……!」
その時、 ミトンへ唸るコフレに電流走る
(心の声)
「そうかあーーっっ!! まず私は出来ることならお姉ちゃんと結婚したい しかし家族でなかなかそうもいかない ならばあの奥手なお姉ちゃん(そんなことはない)に代わり私があのミトンを惚れさせ結婚まで持ち込み、 ……恐らく、 両思いであるお姉ちゃんをミトンの嫁として迎え入れれば……!! もちろん私とお姉ちゃんも好き同士!! これが最も現実的解決案!!! そうかっ! そうかっ! こうすれば……!!!
となればまずはミトンを落とさなければ!!」
と、短絡的な思考で長期的なプランを考える つまりガキ的な頭で搾り出したアイデアにノセられすぐさまやる気まんまんである
その後、 急にミトンにベトベトし始めたコフレとそんな感じになりたいがそうもいかないところを頑張っているフレクの姉妹に挟まれデレッデレ、しかしあくまで仲の良い可愛い女の子としてしか考えていないミトン
そして、それを見るエイトーの視線に何かを感じカーリーが視線を送る
頷くエイトー ガシッ! 固く筋肉握手する二人
可愛い女と女好きな可愛い女が好きなカーリーと、双子好きなエイトー
ここで二人は一時の仲間から一つ段階を上る
二人は生涯友人としてミトン達に関わっていくこととなる
全員の大体の関係性が定まったところで、外から病室を覗くジャック・モレーと その肩に立ち写真カシャカシャするど変態野郎のことはまた今度である...
次回
ファースト ストーリー・ザ・デイ2
買い物編 その1
お楽しみにっ!!
――――――――――――――――――――――――
さあっ! 始まってまいりました短編集!!
いやぁ 本来描きたかったのはこんな感じなんですよ?
ちなみに題名の意味はそのまま、
「登場人物達の1日を書いた短編」というものです
にしても日常ギャグ短編、 難し過ぎやしませんかね?
やっぱり戦闘シーン書いとる方が楽っすわ
なので思い出したように戦闘入れるんで…… よろしくっ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます