第14話 ファストストーリーザデイ3後編
「私は ハワイブル・アイス エフェクー科2年デス」
「よろしくお願いします 先輩
改めて、私はレーダー O ミトン です」
「あっ、 私も同じく一年の フレク です……
あのぉ… ハワイブルさん… いえハワイブル様って、 タリシャート朝廷の……?」
「ハァ…… 確かに、 そうデス でもあまり気にしないで ……それに、 一年生で私なんかと一緒にいたら貴方達にも迷惑になっちゃうデス…」
「それは……」(さっきの嫌な先輩の態度、 アレね!)
「ぅんっ……」(なんかそれ、なんとなくわかっちゃう… ヤダな……)
向こうさんから言ってきた こういう場合、本当に"そう"なのだろう
実際"そう"である
しかし、ハワイブルは可愛い
なら、ミトンという女
もちろん"こう"する!!
「ふぅ〜ん でも先輩可愛いし 特に気にしませんよ? そんな事よりご飯行きましょうよ! ご飯!」
と言いながら肩を抱き込みビシッと前を指を刺す
「!?」
「ご飯です ご飯! カッカッカッカッカッ」
特徴的な笑い方で人懐っこい笑顔を見せる
「んっ! うぅん!!」
ババッ!
振り解いて走って行ってしまう
ミトンら騎士の力では逃さないことなど容易いが、
やはりそこは騎士
嫌がられたら離すしかないのだ
「ミトン様…!」
「あちゃー 振られちゃったカナ?
……フレク、 私はね ああいう風にしか人と仲良くする事、わからないの……」
「い、いえ… 確かに、人によって相性はあります
ですが、 あの、ハワイブル様に必要なのはきっとミトン様のような……!
だから…!」
「カッカッカッカッカッ そう言ってくれるなら、ね そうよね カッコいい騎士、 なるならこれぐらい」
こうは言っているミトン、 実のところまだまだハワイブルにアタックする気満々である!!
「ヨシっ! フレク ご飯行きくわよ ところで、食堂どこだっけ?」
「ええっとぉ… たしか建物の右下 中庭に面した当たりのはずです」
「早く行くわよ! 相席狙うの!」
ドヒュウウウウウウンッ!!!!!
――――――――――――――――――――――――
ガヤガヤガヤガヤ
食堂
上品ではあるが流石に全校生徒が集まるとなると多少賑やかである
「雰囲気、アレね ○リーポッターと○星の魔女の食堂合体させた感じね」
(知らない… いえ、超昔の作品でしたっけ?)
雰囲気のあるカフェ(クソデカい)と言った具合である
「とにかく肉よね〜 メニューはっとぉ…… あれ? 注文ってぇ」
券売機がなく、直接注文でも無さそう つまり
事前注文式学食……!!
「はぁ〜〜 まぁ幸い、購買あるみたいだしそっちにしよっか」
「アハハ… そ、そうですね」
ミトン おにぎり、惣菜パン、プロテインバー、牛乳
フレク 肉弁当、パン、フルーツ、秋刀魚猫のサラダチキン
なかなかの量で売店のオバチャンに先輩にパシリにされているのかと心配しれつつ買い、抱えて席を探す
「さてどこに… あっ! 先輩ーーい!! ご一緒しまーす」
「え!? レイダさん! さっき何を聞いて…」
ドサッ
「失礼しま〜す」 スススッ…
二人が座る
ミトンが正面、その隣がフレク
「良いじゃないですか先輩 わざわざ追ってきたんですよ〜?」
「なんでそこまで…!」
それを聞き突然おちゃらけた雰囲気が消える
「可愛い子と仲良くなりたい
これ以上の理由は他にないんです」
「何より貴女は、 ハワイヤブル先輩は良い人ってわかるんです」
「……!!//」
(まったく… ミトン様は こんな調子でなら、私が背中 守って差し上げなきゃですよね)
「さあ! 早く食べちゃいましょう」
急に後方理解者兼彼女面しましたフレクであった
――――――――――――――――――――――――
「ご馳走様っと… 次の授業ってなんだっ……
"侵略意思"が、来る…」
「ミトン様、何か言いました?」
フレクが聞くと同時に横から声がかかる
「あれえ〜 私達の定位置なんだけど! ここ
パチモンに、一年生ちゃん達、」
「退いてくんない?」
二人組のイヤな雰囲気な女子生徒である
やはりこういう手合いはいるのだ
もちろんハワイヤブルへの嫌がらせのためである
「んで? あぁそうだ ねえフレク 流石国立、味は完璧ね 明日はちゃんと注文ね」
「そうですね やっぱり売店って、食堂に比べたら少々割高ですよね」
「トンカツとかチキンステーキ、良いわね お昼は肉よ肉」
完全に無視し会話を始める二人
しかし、
カチャカチャ
「二人とも 行こ? えっ…?」
どうやらトレーをまとめ移動しようとしていた様子のハワイヤブルが立ち上がりミトン達の方を見るが、 まったく意に介さず会話している様子を見て戸惑う
慣れ、習慣とは恐ろしいもので、家柄でいえばこの中の誰よりも位が高いのだが…
よく知らないミトンはともかくアホ二人とその他大勢はこの調子で、ハワイヤブル自身もとっくに違和感を感じていないのだ
いつものミトンなら無視するか殴り込む所だが、つい先ほど自分とはノリの違う者もいると理解したばかり
グッと堪え、 どうせ移動するだけか と納得した
ハワイヤブルが、「良いのよ、 もう食べたから…」 とまだまだ残ったチキンピラフ定食のトレーを持ちながら言う
「あれぇ〜 じゃあそれ、 もう要らないのね? ぅペッ…!」
グペチョ… 飯の上にガムが吐き掛けられる
すかさずキレたミトンが殴り飛ばそうと飛び出し、それに気づいたフレクが無理だとわかっていながら止めようとした瞬間
横から声がする
「それ、 要らぬなら私が頂こう」
ミトンが思わず方向転換し今すぐ口説きにかかりたいレベルのイケメンである
エイトーもイケメンではあったがあのアンバランスさ
それとは比べ物にならない
全てが完璧
ジャックと同程度であった
名を、 コウ・カツホ 香・勝滅 騎士である
正真正銘、 破綻者 ド変態である
「えっ、 貴方!?」
ミトンが反応するが、それより早く完了する
ヒョイッ パクッ…!!
ジュジュッ…! グッチュ! クチャクチャクチャクチャクチャクチャ
ゴクンッ!!
ニュッチャ もごっもごっ…… タチッ…プッ ニュ~ プクチュッ
ゴクンッ!
「ふむ、 ふむふむ 美味…!
では私はこれで… 失礼する」
一度ガムに付いた女子生徒のヨダレなどを吸い取り飲み込んだ後、咀嚼しまた飲み込み去っていく
アホ二人含めたミトン達5人は言葉を失い呆然としている
その後何故か皆んなで椅子に座り、無言のまま昼休みが終わる
この変態が今後準レギュラーとして登場するとはミトン達はまだ知らない
これにて午前終わり
ここから午後、 初ホームルームである
(最初のやつはミトン達の決闘と例の襲撃で流れてしまった)
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