概要
彼女は奏でる。失われた未来を音に載せて。
同じ高校に通う奏(かなで)は、毎日のように夢を語っていた。
「私ね、将来は――お母さんを超える、大物ピアニストになるんだ!」
その執念は本物で。彼女とは知り合って10年になるが、日々オリジナル曲を生み出すべく頭を悩ませていた。
一方で俺は、クラシックに特別興味がある訳でもなく。彼女の夢を聴いては、適度に励ましていた。
それは現在、高校に進学してもなお変わらず。――これからも、何だかんだ腐れ縁が続いていくはずだった。
……あの冬の夜、ちっぽけなプライドを優先しなければ。
「私ね、将来は――お母さんを超える、大物ピアニストになるんだ!」
その執念は本物で。彼女とは知り合って10年になるが、日々オリジナル曲を生み出すべく頭を悩ませていた。
一方で俺は、クラシックに特別興味がある訳でもなく。彼女の夢を聴いては、適度に励ましていた。
それは現在、高校に進学してもなお変わらず。――これからも、何だかんだ腐れ縁が続いていくはずだった。
……あの冬の夜、ちっぽけなプライドを優先しなければ。
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