概要
闇夜を輝らすは我らが命。我らが邂刻。
終夜時に我らは動く。
国の番として。主の駒として。民の憧れとして。
雲に隠れ、雨に紛れ、月影をも欺き闇夜を飾る。
平和を望む我らは、今宵も闇夜を駆け、闇夜に消ゆる。
欲を満たす我らの去り跡は残穢で埋め尽くされている。
業を背負う「奴ら』の手段、
「邂刻』
その身に流れる「邂絡』と呼ばれる力を一点に注ぐことで我らと相対する事のできる術。
……嗚呼。なんとも浅ましき遠吠えかな。
「我ら」と『我ら』。
国と国の戦よりも敗けられぬ戦。
燃やしても燃やしきれぬ命を繫けた戦の名を、何時しか人はこう呼んだ。
「邂刻事變』と。
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