第8話 ヘビ

トンネルへの出稼ぎが終わった次の日

着信音で目が覚める


「誰だよこんな時間から……」

時計を見ると朝の6時

スマホを確認すると前の職場の後輩からだった


「もしもし」

「先輩今から行っていいっすか?」


いきなりご挨拶だ

ただ俺としても気を使わなくていい数少ない内の人


「どうした?」

「今先輩のアパートの前にいるんで会って話すっすよ」

「お、おう」

発するや否やインターホンが鳴る


「開いてるぞ〜」

玄関に向かって声をかけるとガチャっと音共に後輩が入ってきた


「いきなりで申し訳ないっす、でもこいつ……」

そう言いつつ小さな蛇を見せてきた

10cm程の小さなヘビで綺麗な青色をしている

多分アオダイショウだろう


「カラスにいじめられてたのを助けたんっすけど、うちペット禁止なんで…」


つまり俺に飼ってくれって話か


「このオンボロアパート意外にペット可なんすよね?」


オンボロは余計だが飼えはする

それにしてもこう言うのって犬とか猫のパターンじゃないのか?

いきなりヘビはハードルが高いんじゃ?

そんな事を考えながらも飼うことに決める


「ここにお前が連れて来たのも何かの縁だろ、俺が飼うさ」


「流石先輩!!よかったっす!!」

俺は仕事があるのでこれでと後輩は家を後にする


残されたヘビを見て

そう言えばこいつ毒とか無いよな?とビクビクしながら触るとシャーと鳴きながら指に絡みついてくる


意外と可愛いんじゃ無いか?


「よし決めたお前は藍だ!!」

名を決め呼ぶと藍が光り始める


「えっ!?!?」


光が収まると藍に小さな手が生えてる


ステータスボードが表示され、そこには

レベル1

契約者 江浦幸助


霊獣の子供で霊力を糧に成長する



「育成パートキタァァぁ」


おっさん学生の頃卵のゲームにハマってたくらいには育成が好きだったので興奮している

がふと冷静になり

「ヘビのバケモノってグロテスクなの多かったよな……」


「藍お前は違うよな?な?」


シュ?と首を傾げる藍

仕切りに構うおっさん


放置すると俺と同じおっさんのような見た目になるんじゃ無いかと

心のどこかで思っているのかもしれない




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