第13話

家に帰ったおっさんは今まで撮り溜めておいた藍の動画をMonTubeに載せながら皿の上に置いたデビルベアの熊胆をどうするか考えていた


「ここは一思いに飲み込むか?」


極限まで凝縮され親指ほどの大きさしかないが鑑定の説明が怖過ぎる


「そのまま食べるのはキツイよな」


冷蔵庫にジュースがなかったから調べてみるかとキッチンまで歩き冷蔵庫を開けようとした時

藍の鳴き声が聞こえてくる


「ギュァァァァ」


「お、おい藍大丈夫かっ!?」


開きかけた手を離し藍の元へと駆けつけると

悶えてる藍と空になった皿があった


「もしかしてデビルベアの胆嚢を食べたのか……?」


まさか目を話した隙に食べられるとは思ってなかった

俺の二日酔い耐性が……と絶望してると

落ち着いたのか藍が近寄ってきて顔を指に擦り付ける


「キュッキュッ」


なぜか喜んでる藍を見て怒る気にもならない


「調子のいい奴だな、まったく」


呆れながらも指で撫でる


酒を飲み明かす予定も無くなったのでこれからどうしようかと思い悩む

少し考えてから、数年帰ってなかった実家でゆっくりするのはどうだ?

他県で田舎にある実家だが父親や母親、祖母の様子を見るのもいいだろうと

スマホを手に取り母親に電話を掛ける


「もしもし母さん?今日実家に帰ろうと思うんだけど、うんうん、詳しい話は帰ってからするよ」


「あ、それとペット飼い始めたからその子も連れてくよ、じゃあまた後で」


電話を終えて準備を始める

と言っても荷物はアイテムボックスに詰め込むだけで済む

数時間掛けての移動になるので藍に説明をしておく


「藍今回の移動は長いけど我慢してくれよ?」


だが分かってるのか、分かってないのかキュッキュッと鳴くだけだった


気になるショップのアイテムは実家に帰ってから購入する事にした

その方が説明するのが楽だろうしな


それにあの辺りなら人も少ないのでモンスター退治も捗りそうだ


色々と考えながらも

ツインに乗り込んでアクセルを踏み込む


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る