第3話 

陽光が顔を照らし眩しさから目が覚める

起きてすぐ思う事はすごい夢を見たなぁだった

「なんだっけステータス?うわっ!」

ステータスが表示された


「もしかして夢じゃなかった?」

この歳で就職活動は辛いので助かるんだが未だに現実感がない

そう考えるとアルコールの力はすごいよなぁ

落ち着いてからマップを開いてみた


「近くでゲートはあるかな?」

調べていると近所に数カ所ゲートがある

1番高いのは河川敷の高架下か……

あそこはホームレスのおっちゃんがいるんだよな

そんな事を考えながらも大事な収入源だ行くしかない

今の時間は11時過ぎ

「よし、稼いでからランチは豪華に行くか」

着替えてから向かう事にした


高架下に着いてゲートはどこかな?と探してると


「幸ちゃんどうした?」


吉田のおっちゃんに声を掛けられた

吉田のおじさんはおじさんの俺が小さい頃からおじさんホームレスだった人だ

もう70〜80歳くらいなんじゃないか?


「おっちゃんちょっと用事でさ」

詳しい事は流石に言えない頭のおかしい奴とか思われても嫌だしね


「そうかいおっちゃんちょっと用事で出てくるから良かったら幸ちゃん我が家を見ててくれんか?」


「いいよ」


「ありがとな」


そう答えながら丁度良かったと思った

ゲートに入ってる間周りからどう見えるか分からないしな

どうせブルーシートホームに取られるものなんて無いだろうしいっちょ入るか

ホームの横にあったゲートに触れる


「今回も平原か」

周りを見渡すと


「ゴブゥゥゥ」

と叫びながら3匹の幼稚園児くらいの顔は醜悪で老人な生き物が襲いかかって来たがかなり動きが遅い


取り敢えず先頭の1匹にケンカキックを繰り出す


「オラッ」


首が折れて消える

何か落ちたが気にせず残り2匹を見る

めちゃくちゃ臭いが油断は出来ない


「ゴブゥゥ」

2匹は左右に分かれて攻撃してくる

右の奴に蹴りを喰らわすと悲鳴を上げて倒れ込んだ

だが消えてないので死んではないだろう

そう考えていると左の奴が飛んできたのでまた蹴ると光になって消えた

悲鳴をあげてる方も声が聞こえなくなり消えていった


初めての戦闘だったが思ったより簡単だったな

落ちてるアイテムを拾って鑑定をすると


ゴブリン魔石

300円で買取可能


「まぁこんなもんか」

見た目はキモいけど身体能力は幼稚園児みたいなもんだもんな


そこから何度かゴブリンと戦闘を終え魔石を拾っていると普通のゴブリンより大きなゴブリンが現れた

大きいと言っても小学生低学年くらいだけど

「ギャァァ」

あ、こいつは鳴き声違うんだ

能天気な事考えながら襲いかかって来るゴブリンの頭を殴る

「ギャッ?」

脳震盪?を起こしたのかフラフラしながら倒れ涎を撒き散らす

汚いので腹を踏んで殺しておく



「ゲート内が正常化されました」

「おっ!?やっぱりアナウンスはビックリするよなぁ」

急なアナウンスにビビる俺

でもモンスターは怖くないんだよなそんな事を考えてるとステータスを思い出した


ステータスを見てみると


レベル3

肉体10

精神16

霊力2


スキル 鑑定 Newアイテムボックス


とレベルアップと新スキルを覚えていた


アイテムボックスをタッチしてみると

10kgまで出し入れは所有物であれば出来る

と書かれてる

よしこれで荷物が減るぞ

と言ってもスマホと財布しか持って来てない


「そう言えばあまり気にしてなかったけど肉体やら精神やらモンスター相手に対してのものなのかな?」

考えてもどうにもならないのでドロップアイテムに意識を割く


落ちていたのは少し大きな魔石と

汚い布切れ?だった

明らかに汚いし臭い近寄りたくないが気になるので収納してみる


魔石の方は

ゴブリンチーフの魔石

1000円で買取可能


「やっぱり普通のゴブリンより価値あるか大きかったもんな」

じゃあ布切れも結構期待出来るんじゃ?

そう思い鑑定してみると


ゴブリンの腰蓑

価値なし

死ぬまで洗わずに身に付けているため汚れも匂いも取れない

動物系のモンスターには脅威

好むものがいるのなら見てみたい


まさかの価値なし

涙目になりながら収納した意味……

出すのも本気で嫌なのでボックスの肥やしになってもらおう、すまん

でもなんだかんだで5500円と30分程にしてはかなり稼げたんじゃないか?


おっちゃんが帰って来ててもまずいし帰るか

「帰還」

現実世界へと戻ってみたがまだおっちゃんは帰って来てない

臨時収入もあったのでお昼は贅沢に回転寿司にでも行くかと考えていると

ビニール袋をぶら下げながら吉田のおっちゃんが帰って来た


「おう、幸ちゃんありがとな」

そう言ってビニール袋から生姜煎餅を取り出して渡して来た

「ありがとおっちゃん」

年寄りってどうしてこう年寄りです!ってお菓子くれるんだろうか?

勿論ありがたく貰うんだが


「ところで誰かここに来たか?」

急におっちゃんが鋭い目付きで見てきた


「えっ?誰も来てないよ?」

もしかして俺がいない間に誰か来てたのか?と内心ビクビクしながらそう答えた


「幸ちゃん悪いけどよ行くとこが出来たからまたな、すまんな」

おっちゃんはスマホを取り出して何処かに連絡を入れてる


「いいよ俺もお腹空いて来たし今度また顔出すから話そう」

おっちゃんが聞いてるかどうか知らないけど声を掛けて回転寿司屋に向かった

そう言えばおっちゃんスマホ持ってたんだ……



ちなみにおっさん回転寿司は9皿でギブアップしてしまった

40過ぎの胃は弱いのである



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