概要
この物語は、プロのピアニストを目指す主人公の水無瀬ゆきの愛と人間的な成長を描いた物語です。彼女は、自分のピアノの弱点と向き合いながら、彼女なりにそれを克服するために尽力をしていきます。また、本物語のヒーローである来栖大悟も、色々な要因によって自分の才能がなかなか世間に認められずに苦しみます。しかし、ゆきは、そんな彼を支え、彼の幸せを実現するためにも尽力するのです。そして、そのすべてが終わった時、彼女に残されたものは、なんだったのか? それがこの小説の
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!全ての表現者の方に読んで頂きたい物語。
この物語はプロピアニストを目指す女性と、個展を開くことを夢みる男性、二人の人生を通して紡がれる物語です。
人が自分の感性の赴くままに表現出来るものは沢山あります。絵や音楽、文章や陶芸、数多の表現方法がある中で、何故彼女達がその道に進んだのか、そしてその表現者としての道がどれだけ尊いことなのかということを二人が人生を通してみせてくれた気がしました。
まるでこの物語を読んでいる自分自身が実際に目にしていると錯覚してしまうような繊細で綺麗な情景描写、そしてピアノの知識が皆無な私のような人でも伝わるようにと、作者様の持たれている音楽の知識を各所にそっと添えて下さっています。物語を物語として本気で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!拝啓 フランスより
僕は今、日本の喧騒から離れてフランスに来ています。
照りつける陽の光も、そよぐ風も、咲き誇る美しい花々も、全てが異国情緒に溢れておとぎの世界にいるみたい。
公園の中にある湖畔では、そんな美しい景色を絵描きがキャンバスに切り取っていて、頭の中では絶えずピアノの音が流れている。
流れる時間さえも違って感じられるような別世界。
――そう、僕は今フランスにいるんです……。
そんな気分にさせてくれる書き出しでした。
芸術の都で出会った絵描きとピアニスト。
二人がこの先どんな人生を歩んでいくのか、ストーリーを読みかけの僕にはまだわかりません。
だけど、苦悩しながらも歩み続ける二人の芸術家の行く末を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!隠された真剣さを見てほしい
カクヨムで初めて文章付きレビューを書く。まぁじんこぉる氏の『売れない画家とピアニスト』だ。一見するとスノッブで近寄りがたい作品だが、このハイカルチャーな世界の描写のために著者がどれほどの努力を傾けたかを想像してみてほしい。彼自身は画家でもピアニストでもなく、取材と調査に基づいてこの物語を構築している。
彼は、ネット上で悪目立ちしているところもあるが、僕のような無名アカウントにもたまに絡んでくれる変な人物だ。そうして直接言葉を交わした上で、僕は、彼が本気で作家を目指していることを理解しているつもりだ。物語の展開についての言及は控えるが、本気で芸術に向き合うという主題は、きっと彼の中で彼の本質と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!音楽と絵画を綴る芸術作品!
一話目から知識がすごいと伝わってくるこの一作。
けれど、知識をひけらかすでも、説明的でもないのです。
一話を読んだだけで『この作品はすごい』と圧倒されます。
小説には音がありません。
挿絵機能が無い限り、画もありません。
それなのにこの作品は音楽を奏で、絵画を描いているのです。
読み始めは芸術家ならではの苦悩から始まります。
『もっと、○○な表現をしたい!』
これは、小説やレビュー、感想を書いていても突き当たることがあり、このサイトでは多くの人が共感するのではないでしょうか。
物語は苦悩だけで長くは留まらず、テンポよくストーリーが進んでいき、タイトル通り『売れ…続きを読む