現代ファンタジージャンルで久々に出会えた、大好きな世界観。

第一章まで読了した時点でのレビューになります。

人類と敵対する未知の生命体「ペッカート」に対抗できるのは、同じく未知の鉱物「キューブ」に選ばれた若者たちだけ。

シュウも戦うことを選び組織の練習生となったのだが、そこで再会したのはかつて唐突に姿を消した元恋人のハル。命を散らす戦火の中で再会した二人だが、その心が再び通じ合うには程遠い。恋愛や友情などのありふれた日常と引き換えにキューブに選ばれた若者たちに、人類の希望は託されている――。


怪物と戦う秘密組織が大好きな私にとって、まさに理想を詰め込んだような世界観でした。当たり前の日常が壊され、それまで戦いとは無縁だった少年少女たちが神格的な何かに選ばれて戦う。殺伐とした非日常の中で育まれる達観した死生観と、ふとした瞬間に見せる年相応のあどけない様子のギャップが大大大好きでして……まさに、そんなお話になっております。

群像劇のようにたくさんのキャラクターが出てくるのですが、その誰もがキャラ立ちしていて自然と覚えられるのにびっくりしました。これは作者様のキャラクターワークの腕が立っているのだと思います。個人的には気が強いけど一度仲間と認めた人には優しいホノカさんが好きです。
戦闘シーンも圧巻で、息つく暇もないスピード感が魅力的です。映像化するととても映えるんじゃないかなと思いました。

ダンジョン配信や異世界回帰物が溢れる現代ファンタジージャンルの中で、私が読みたかった世界に久々に出会えた気がします。
未知への恐怖と、使命に揺れる少年少女たちの起伏と、蔓延る不穏。気になる方はぜひお手に取ってみることをお勧めします!

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