未知との存在との戦いと交錯する少年少女の想い

  • ★★★ Excellent!!!

非現実であった未知なる存在との戦いが、現実として目の前で繰り広げられる。

民間でこそあるものの、国から委託された部隊にスカウトされて自らその世界へと飛び込み、日常が非日常になった主人公シュウ。
そこで待ち受けていたのは、非現実な日常だけではなく、失ったと思っていた一人の存在があった。


とある未知なる存在との戦争を描いた映画を彷彿とさせるような始まりは、日常から始まりゆっくりと非日常へと流れていく。
特殊部隊へと加入する事で、読者ごとその世界へと導いているような導入。

その中で注目すべき点は、敵の存在と主人公シュウの元恋人だろう。
ある日突然消えたはずの存在が、非日常へと片足を踏み込ませた瞬間に幻の如く現れる。残念ながらそれは現実であり、消えた経緯も複雑ながら、二人には壁が立ちはだかる。

戦いの日々の中で、二人の想いに胸が苦しくもなり、その他の少年少女達の思いが交錯する。
皆が皆、戦いの中で誰かに心の癒しを求めているような関係性がまた切ない。

また、特殊能力を備えた少女達の迫力あるバトルと、歪なる存在の戦いも必見である。
オススメです。

(三章半ばまで拝読)

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