謎の生物によって侵略され、人類が虐殺され続けるようになった世界。
戦うことを選んだシュウは、ある日突然姿を消した恋人ハルと再会する。それも男連れで。
さらに、恋人(自称)エリカもついてくる。人間関係が複雑になる中、警戒音とともに敵がやって来た。
バイクから飛び降りるハルに、シュウは目を疑う。
「ハルさんは、『スペランツァ』ですから」
未知の生物ペッカートと、それに対抗できる唯一の存在スペランツァ。
スペランツァは「人類の希望」と呼ばれる謎の石であり、『キューブ』の適合者だった。
ハルは『キューブ』から選ばれ、高い身体能力と常人をはるかに上回る回復力を手にすることとなる。
選ばれた特別な存在は、己の身の安全を放棄して戦いに挑んでいた。
みずからを犠牲に戦う覚悟を持って挑む『スペランツァ』と、それを守護する『スペラーレ』。
ハルのことを知ろうとするシュウと、ハルの心に寄り添い続けるキョウヤ。
少年少女たちの行方はいかに。
未知の生命体であるペッカートに襲われる世界において、唯一対抗できるのは、キューブという物質と適合できる体質を持つ者『スペランツァ』のみ。
そんな適合者候補たちを施設に集め、組織として研究、訓練している政府委託の施設に入隊希望者としてやってきたシュウが、理由も告げずいきなり姿を消した元カノであるハルに再会することでこの物語は始まります。
押しかけ系ギャルの今カノ?であるエリカも勝手についてくるし、施設内では所長をはじめとした癖のあるキャラもいて、人間関係と世界を救うためのペッカートととのバトルの両極面がいつの間にか融合していきます。
スペランツァのハルは、唯一のパートナーであるスペラーレとして誰を選ぶのか。また最大の敵であるペッカートとキューブとの因果は。ハルの選択によって、世界はどうなるのか――
熱いバトルと愛憎劇の両方を楽しめる、ダークファンタジー。オススメです!!
バイト帰りの男子シュウが、友達と電話したりコンビニに寄ったり。
アパートに帰ると、彼女からの置き手紙が。
そんな日常から一転、未知なる生命体『ペッカート』vs人類の戦いに、お話は転がって行きます。
シュウが入隊希望した組織で再会した、元カノのハル。
そのハルが、襲撃して来た敵との戦いに向かうシーンが、実にカッコよくて魅力的!
そこでグッと心を掴まれたら…そのままお話にジャンプ!!
タイトルの『キューブ』とは?
そして『スペランツァ』と『スペラーレ』とは?
ラスボスの正体とは?
それらの謎の答えはぜひ、ページをめくってご自分で確かめてください。
SFが苦手な方にも、オススメですよ♪
非現実であった未知なる存在との戦いが、現実として目の前で繰り広げられる。
民間でこそあるものの、国から委託された部隊にスカウトされて自らその世界へと飛び込み、日常が非日常になった主人公シュウ。
そこで待ち受けていたのは、非現実な日常だけではなく、失ったと思っていた一人の存在があった。
とある未知なる存在との戦争を描いた映画を彷彿とさせるような始まりは、日常から始まりゆっくりと非日常へと流れていく。
特殊部隊へと加入する事で、読者ごとその世界へと導いているような導入。
その中で注目すべき点は、敵の存在と主人公シュウの元恋人だろう。
ある日突然消えたはずの存在が、非日常へと片足を踏み込ませた瞬間に幻の如く現れる。残念ながらそれは現実であり、消えた経緯も複雑ながら、二人には壁が立ちはだかる。
戦いの日々の中で、二人の想いに胸が苦しくもなり、その他の少年少女達の思いが交錯する。
皆が皆、戦いの中で誰かに心の癒しを求めているような関係性がまた切ない。
また、特殊能力を備えた少女達の迫力あるバトルと、歪なる存在の戦いも必見である。
オススメです。
(三章半ばまで拝読)
第一章まで読了した時点でのレビューになります。
人類と敵対する未知の生命体「ペッカート」に対抗できるのは、同じく未知の鉱物「キューブ」に選ばれた若者たちだけ。
シュウも戦うことを選び組織の練習生となったのだが、そこで再会したのはかつて唐突に姿を消した元恋人のハル。命を散らす戦火の中で再会した二人だが、その心が再び通じ合うには程遠い。恋愛や友情などのありふれた日常と引き換えにキューブに選ばれた若者たちに、人類の希望は託されている――。
怪物と戦う秘密組織が大好きな私にとって、まさに理想を詰め込んだような世界観でした。当たり前の日常が壊され、それまで戦いとは無縁だった少年少女たちが神格的な何かに選ばれて戦う。殺伐とした非日常の中で育まれる達観した死生観と、ふとした瞬間に見せる年相応のあどけない様子のギャップが大大大好きでして……まさに、そんなお話になっております。
群像劇のようにたくさんのキャラクターが出てくるのですが、その誰もがキャラ立ちしていて自然と覚えられるのにびっくりしました。これは作者様のキャラクターワークの腕が立っているのだと思います。個人的には気が強いけど一度仲間と認めた人には優しいホノカさんが好きです。
戦闘シーンも圧巻で、息つく暇もないスピード感が魅力的です。映像化するととても映えるんじゃないかなと思いました。
ダンジョン配信や異世界回帰物が溢れる現代ファンタジージャンルの中で、私が読みたかった世界に久々に出会えた気がします。
未知への恐怖と、使命に揺れる少年少女たちの起伏と、蔓延る不穏。気になる方はぜひお手に取ってみることをお勧めします!