地球を飛び越えたSFブロマンスに、胸が高鳴る!
- ★★★ Excellent!!!
機械知性体・アンストロンが突然狂暴化して人間を襲う事件が頻発しているルラキス星。治安維持組織「セーラス」のエージェントとして新たに就任したタカトがバディを組むことになったのは、まるで機械みたいに感情が見えない美青年、ディーン。凸凹コンビが幾多の危機を乗り越えて絆を深め合う王道ブロマンス×SF世界観が融合した、見応え抜群なハリウッド映画のような一作です。
惑星間移住、機械生命体、ウイルス……SF好きにはたまらないワードが序盤からふんだんに盛り込まれていますが、「機械生命体を狂暴化させるウイルス」というのはSF初心者でも取っつきやすい題材になっているのではないでしょうか。一方で空中を自在に浮遊するリビテード・ボードだったり、こめかみに埋め込んだIDチップを用いた通信手段のレティナ・コールなど、わくわくするような空想科学要素も満載です!
そして何より本作の魅力は、熱いブロマンス展開! 直情型で考えるよりも先に身体が動くタイプのタカトとはまるで正反対のクールな一匹狼のディーン。始めは上手くいかない二人が徐々に互いの力を認め合い、唯一無二の相棒になっていく様子が胸熱です!
最近のブロマンスはBLと一括りにされがちですが、この二人はまさに「男同士の熱い友情」そのもの。男性読者でも安心してやり取りを見ていられるし、女性読者が思わず「尊い」と思ってしまうような展開もあり、とてもバランスが良いと思います。
タカトとディーンの前に立ちはだかる惑星を越えた陰謀、そして二人を繋いだ運命。このワクワクとドキドキをぜひ味わっていただきたいです!