華麗なるよんしゃい、爆誕。

十八歳の公爵令嬢ユリアーナは、まだ四歳の王女の身代わりとして隣国に嫁ぐことになった。……四歳、である。さすがに無理があると思うだろうが、なんと時の魔女が魔法で身体だけ若返らせてくれた。何を隠そう、ここは乙女ゲームの世界なのである。つまり「身体は子ども、頭脳は大人な悪役令嬢」ということだ。

前世でこのゲームをプレイしていた侍従(悪役令嬢推し)を引き連れて会いに行った婚約者は、氷の皇太子と有名なフォルクハルト、二十歳。その年齢差、十六歳。いやでも精神年齢は二歳差だしお互い頭が切れる者同士なので問題ない……ですよね!?!?(圧)

氷の皇太子をも溶かす愛らしい四歳にメロメロになっているのは読者も同じ。中身が大人だからこそ子どもっぽく振る舞わなければならない羞恥と、子どもだからこそ愛される幸せが、日々の疲れが溜まった身体に染み渡ります。そしてしっかりフォルクハルトからの溺愛もあるのがありがたい。救われる命があります。

読者が求める展開をしっかり抑えつつ、世界設定は緻密に繊細に。作者様の構成力と筆力が光る逸品、ぜひご一読あれ!

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