3-1
(
アレク様の体に
(でも、ああやって私には疲れを見せないところが……なんか切なくて、
(しっかりしなさいよ、王都には
最近の私は色ボケしすぎている。こんなみっともない姿を父と弟が見たらなんて言うだ
ろうか。
私が最も優先すべきことは、お金を
気合を入れなおして
「どうしたの、ルカ君。また本棟に来ちゃったの?」
「おじさんに呼んできてって
ルカ君は私の手を引いて、どこかへ行こうとする。
(おじさんって
今朝アレク様は出勤の前に、「見知らぬ人について行ったら
(本当に過保護よね……。なんであんなに心配
手を引かれるままに進んで行くと、ルカ君は階段を下り始めた。この先は地下で、私はまだ行ったことがない。ここで何があるというのだろう。
「ここで待ってるって言ってたよ」
ルカ君は迷う様子もなく、通路の
(あの石……まさか聖石? それに魔法陣の三日月みたいな
転移と
フラトンの各地に点在する教会は転移魔法陣によって
「おじさん、連れてきたよ! あれ? お面つけてるね」
「よくやったな、
低い声にハッと顔を上げると、
「わぁい! ありがと!」
「……っ、ルカ君、駄目!」
少し
「ルカ君!?」
「そう
命令することに慣れた口調だった。床に
「そんなに顔を
「……よく
仮面男は私の
(やっぱりどこかへ転移するつもりなんだ。この男は神聖力を持ってるんだわ。でも、神官にこんな
仮面男はルカ君を担いだまま、
「《尊き石よ、
魔法陣が光り出し、
( ―― オルセン? なんで……)
オルセンはエリゼオ様が領主を務める地域だ。この仮面男はエリゼオ様と知り合いなんだろうか。
(……多分、
いずれにせよ、仮面男が教会の内部事情に
足元の光が収まり、次に目を開けた時には全く別の空間に立っていた。窓があって明るく、部屋も少し
「ついて来い」
仮面男が
「誰か! 誰か助けてください!」
教会の支部には聖騎士と聖女が
「
背中を
(なんで? この男が何かしたせいで無人になったの?)
まさか協力者でもいるんだろうか。
その考えは当たっていたようで、裏門から出ると細い通りには馬車が用意されていた。
「ここで待て。大人しくしてろよ」
通された部屋の床には、魔法陣が描かれた布があった。転移魔法陣のように見えるけど、どこか変な感じがする。
(聖クラルテ文字の量が少ないような……。それに、月の図形も違和感があるわ)
授業では「転移魔法陣は古代の技術で解明されていないことも多く、教会にある転移魔法陣でなければ転移できない」と説明を受けた。
だとするとこれは似ているだけで、他の効果を持つ魔法陣なのかもしれない。
仮面男は古ぼけた
(大丈夫、きっとアレク様が助けに来てくれる。『
私は部屋の隅に座り、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます