絶華の契り−無茶振り婚儀は雷鳴とともに−

紅珠(こうじゅ)は宮廷呪術師組織・明仙連に所属する女呪術師。新人ながらも屈指の実力者として、紅珠の名は麗華国の都に轟いていた。

そんな紅珠の気がかりは、行方不明の腐れ縁同期・涼(りょう)の行方。

学生時代、双璧の存在として幾度もしのぎを削りあった涼は、呪術師養成所を卒業する際、紅珠と『負けた方は勝った方の言うことを何でもひとつ聞き入れる』という賭け勝負を行い勝利を収めたものの、その権利を行使することなく、誰にも卒業後の進路を告げずに行方をくらましていた。

涼の行方を気にかけながらも、日々の業務に邁進していた紅珠は、ある日当代皇帝第三皇子・李陵(りりょう)から呼び出しを受ける。

接点がない相手からの直々の呼び出しに紅珠が首を傾げつつも屋敷へ参内すると……なんとそこにいたのは行方不明の涼…続きを読む