あとがきと、登場人物たちの話をすこしだけ

 ここまで『月の巫女と嵐の獣〜戦乙女の少女は悪鬼と呼ばれた少年に恋をする〜』をご高覧いただき、ありがとうございます。


 本作品は、2023年にカクヨムにて開催されました「世界を変える運命の恋」中編コンテストに応募するために書き下ろした作品です。

 コンテストの結果は残念ながら……でしたが、以前からあたためていたストーリーやキャラ、設定など、この機会に形にすることができて、とてもたのしかったです。


 中編ということで、規定の文字数は6万字まで……でしたが、書き終わってみると13万字と長編の小説になっていました!


 とはいえ、ストーリーをさくさく進めるために、けっこうエピソードを削っちゃっています。

 けれども、メインはあくまでアストリッドとロキの運命の恋。わくわくときゅん! は描けていたかちょ~っとあやしいところですが、長編で少女恋愛小説を書くのははじめてでしたので、これも経験! というところでしょうか。


 さて、ここからは、登場人物たちの話を。



 まずはヒロインのアストリッド。

 

 赤毛と雀斑そばかすがちょっとコンプレックスで、容姿にあまり自信のない女の子ですが、素直で真面目でとても強い子です。

 序盤の十四歳時ではロングヘアーだったのですが、ロキとの別離をきっかけに、バッサリ切ってショートカットになっています。エピローグ後は、また髪を伸ばしているかもしれませんね。

 

 ふつうの女の子を意識して書いてみたのですが、彼女は慈愛の少女です。



 そんなアストリッドに、無意識のうちに強く惹かれていたのがヒーローのロキ。


 大変な境遇で生きてきたせいか、自分のことはけっこうなおざりにしがちな彼ですが、後半はとてもがんばりました。


 そう、がんばる少年が書きたかったのですよ。あと、ヒロインよりも年下のヒーロー。ロキはアストリッドよりも二歳年下です。

 十四歳のアストリッドと十二歳のロキはあまり変わらない身長だけど、三年後はロキがアストリッドの背を追い越しちゃってますね。ついでに師匠のレムも(たぶん生意気って言われていると思う)

 

 

 アストリッドの養父のイヴァン。

 

 パパは三十路なのに若々しくてイケメンなので、アストリッドはちょっとファザコンです(苦笑)パパも娘に甘いところがあったりと、血のつながりはなくとも仲良し父娘。

 

 でもイヴァンは、むかしエルムトを守っていた軍神テュールという男たちの兵士、それも副隊長だったので、訓練にはとても厳しかったりもします。そのおかげで、アストリッドは戦乙女ワルキューレになれたわけですが……。

 

 作中でめんどくさい男の片鱗がちょっとだけ見られたのですが、前日譚ではちゃんとヒーローなので安心してください!




 白兎のレム。

 

 軍医のレムはロキの先生であり、イヴァンの恋人です。

 タグにボーイズラブを付けているのはこのためです。描写はほぼほぼありませんが、念のため(苦笑)ふたりがメインの話は、前日譚に当たる『軍神イヴァンと白兎のレム』をどうぞ!

 

 所々で言ってますが、前半はレムに出番を食われちゃってます。前作の主人公ってそんなもんよね~とかって。

 

 あとレムはけっこう性格が悪いので、ロキに対して「ふ~ん、アスラちゃんにキスしてもらったんだ。よかったねえ、ロキ君。でもあの子のファーストキスの相手は太陽の巫女ベナ・ソアレだけどね」って言ってると思います。

 そしてロキは何でもない風を装って、実はけっこうショック受けてたり。




 戦乙女ワルキューレのヘルガ。


 金髪碧眼のお嬢さま。アストリッドよりも二つ上のお姉さん。

 めちゃくちゃ真面目です。でもアストリッドに負けないくらいの努力家。


 恋愛には無縁そうな彼女ですが、幼い頃に仲良しだった庭師の息子とラブが……。ってその相手がくたびれたおっさんな辺りが朝倉の趣味です(苦笑)



 戦乙女ワルキューレのリリヤ。


 アストリッドのひとつ年下の友達でもあるリリヤは、色白ぽっちゃりさんの力持ち。そして料理上手。


 という設定をイマイチ生かしきれず……尺の問題もなのですが、安定のキャラ多過ぎ問題ですね。ごめんよリリヤ。


 じつは、あのあとリリヤは戦乙女ワルキューレを脱退して、正式にレムの助手になっています。戦うのがこわくなっちゃったみたいです。ロキがいなくなって(アストリッドの傍にいるので)、レム的には大歓迎らしく。片付けをしてくれる人ができたので。それからリリヤはメルヴィの面倒もよく見てくれています。



 ロキの相棒ヴェルネリ。

 

 誰が相棒だとロキは怒りそうですが(笑)

 くそ生意気なロキを、ヴェルネリはこいつ面白いやつって思っていたらしく……。そして巫女の獣になったロキを揶揄いにちょくちょく邪魔しに来ているようです。


 そしてヘルガとの関係……。

 くたびれたおっさんと金髪碧眼の美女の組み合わせってよくないですか!? 幼いヘルガはケルムトでヴェルネリを見かけた時まで忘れていましたが、一方で組織に売られたヴェルネリは……。


 といっても、ヴェルネリはああいうキャラなので、ヘルガに接触したのも恨みとかそういうのではなさそうですが……。その父親に対しても、憎しみとかもあんまりなさそうな。


 ちなみに、作中でヴェルネリがダントツに書きやすかったです!!




 ネズミの少女メルヴィ。


 喋れるのに喋れないフリをしている……という設定がありました。本当に喋れないのか、声を隠しているのかは謎。喋ることを求められないこどもは喋れないですし……ね。


 組織のネズミとして、月の巫女シグ・ルーナを暗殺しようとした少女。

 

 実はメルヴィは、密かにロキを慕っていたという設定があります。つまりアストリッドを攻撃したのは嫉妬です。


 そう、メルヴィはロキに食べものを分け与えてもらっていましたね。いつも残飯を漁っていたメルヴィにとって、そこで感情が芽生えたのかもしれません。


 レムとイヴァンに引き取られてからは、その気持ちも忘れてしまったのかも……? 彼女がほしかったのは、自分を必要としてくれる人と、愛です。

 


 本土イサヴェルの巫女ユスティーナ。

 

 本人は巫女ではなく、魔女と言っていましたね。

 本土は近代化がけっこう進んでいるので、こうした特殊能力を持つ者は異端なのですが、闇組織にはそこそこ隠れているという……。


 僕っ娘のティナ様ですが、この人いくつなんだろう……? と。

 見た目はアストリッドよりもすこし幼いかんじですが、いかんせん魔力持ち(自覚あり)の人って、年齢不詳なんですよね。

 



 太陽の巫女ベナ・ソアレこと、クロエ。

 

 美女だけど変人(苦笑)

 かわいいアストリッドはぺろっと食べられちゃいましたが、彼女の本命はイヴァンです。てっきりイヴァンも来ると思っていたのに、来なかったのでやつあたりみたいな……? クロエは美しいものが好きなのでイケメンも好きなのです。でもレムはタイプじゃないそうです。

 

 蛇姫という設定を生かし切れなかったので、次回作で……!


 

 太陽の巫女ベナ・ソアレの獣、セサル。


 クロエの弟のセサルはいつもにこにこしていますが、実は腹黒という設定があります。

 ケルムトの嵐の獣ベルセルクルは日中は、孔雀の姿をしていますが、脳内では不死鳥フェニックスをイメージしていました。いま思うと、そっちでもよかったかなあと。ファンタジーですし。

 


 月の巫女シグ・ルーナこと、エリサ。


 ふわふわピンクのお姫様なイメージだったのに、どうしてこんなことに……??


 蓋を開けてみれば、ラスボスかな? ってくらい貫禄のある魔女様ができあがっていました。本人も巫女より魔女の方が自分には似合うと思っていそう。


 彼女の歌は、NANAのレイラっぽいかな~? と思いつつも、作中でエリサが登場するときにきいていたのはエヴァネッセンスです。ゴシックロックやないか~い!


 

 月の巫女シグ・ルーナの獣、ユハ。


 燕尾服を着た男装の麗人。これはたぶん、エリサの趣味ですね!

 タグのガールズラブは、エリサとユハです。籍は入れていなくとも、ほとんど結婚しているとおなじ関係のふたりでした。


 実は、作中でユハは獣に顕現けんげんしていません!


 そしてユハはエリサのために甘いお菓子をたくさん作るのですが、ユハはあまり食べません。ユハはどちらかというと辛党なのです……。




 月の女神マーニ。


 なんだかめっちゃドライな女神様(苦笑)

 見た目は少女なのですが、あれはアストリッドの精神世界なので、もしかしたらエリサにはちがう容貌で見えていたのかもしれません。

 

 あと、マーニはエリサの歌が好きだったけれど、あんまり上手くないと言っていたのは単純に好みの問題ですね。アストリッドの歌がやさしくふんわりしたかんじなら、エリサは声量オバケなので……。


 そして、エルムトの神様は月の女神様マーニでしたが、ケルムトの神様は太陽の神ソールです。仲悪そうなイメージなのですが、どうなんでしょう……?


 砂と岩と夏の国ケルムトを舞台にした話もふんわ~り考えているので、いつか登場させてあげたいですね!

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月の巫女と嵐の獣〜戦乙女の少女は悪鬼と呼ばれた少年に恋をする〜 朝倉千冬 @asakura

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