彩りの魔女は居場所を見出す

緑壁国第三王女であるテュベルーズは御歳三十三歳。彼女は、扇鶴国の皇太子・夕雅の元へ嫁入りしてきました。
盛大に歓迎されるテュベルーズでしたが、人々は歓迎の言葉を口にするものの、何故か一様に無表情。
当の夫となる夕雅は、見た目十代の若々しい青年。
あまりの年の差に内心慌てふためくテュベルーズの様子は可愛らしいところがあります。

そんなテュベルーズですが、彼女は実は魔女であり、スケッチブックに描いた絵を具現化できる魔法が扱えます。
テュベルーズは『色』に対してとても強い情熱を持っており、様々な色をスケッチブックで表現していきます。
美しい『色』に魅入られ、逆に自分はその美しさに見劣りする醜い女だと思い、だからこそ『色』の美しさに惹かれる。

王女の身の上であるが故に困難を強いられてきたテュベルーズは、事あるごとに自分を卑下しますが、嫁ぎ先で起きる様々な事件を『色』への情熱によって解決していきます。
そのようにして、彼女は嫁ぎ先で自分の居場所を作っていくのです。

緑壁国で肩身の狭い生活を送ってきたからこそ、その居場所は燦然と輝いて見えます。
テュベルーズの境遇と婚姻生活、夫となる夕雅との交流。
その果てに彼女が手にするものは何か、是非、ご一読ください。

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