熱を持った砂浜に降り立つ黒ずくめの魔女

緑壁国の第三王女テュベリーズは、呪いの森で育った魔女でもあります。

冒頭、燦々と太陽が光る島国・扇鶴国に魔女帽子をかぶった彼女が登場するシーンに衝撃を受けました。
ひっそりした森の奥のさらに奥、じゃなく、乳白色の(きっとさらさらした)砂浜に亀から降りた魔女は、太陽の熱を集める正装の黒服が暑いのを隠して挨拶する。
繰り返しになりますが衝撃を受けました。

テュベリーズは色を操る「彩りの魔女」、眼に映る鮮やかなシーンが続くのを読み進めるうち、冒頭シーンは、意外性というのじゃなく、別の意味をもっていることに気付きます。

色彩が心を悲しませ、晴れやかにもしました。

美しいラストをぜひ御堪能ください。

皆様に心からおすすめします。

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