オープニングの不穏さから、少々怖い展開を予想してしまったのですが。
蓋をひっくり返したら、それは賑やかなおもちゃ箱のような世界。
ヒロイン、テュベルーズの生い立ちには胸の痛くなるものがあります。
けれども、彼女は持ち前の明るさ、そしておっとりした天然さで周囲を笑顔にしてしまうのです。
嫁いだ先の扇鶴国の方々も、蓋を開けてみれば……でした。
とにかく、キャラクターの全てが愛おしい。
作者様の愛情を感じます。
テュベルーズの能力も、とても女性らしく彼女らしいものでした。
からの、ラストは必見です。
ギャップに驚きますが、伏線がばっちり張ってあって「なるほど!」となりました。
夕雅様の誠実さも胸がキュンとなります。
どうか、この夫婦が幸せであり続けますように💕
緑壁国第三王女であるテュベルーズは御歳三十三歳。彼女は、扇鶴国の皇太子・夕雅の元へ嫁入りしてきました。
盛大に歓迎されるテュベルーズでしたが、人々は歓迎の言葉を口にするものの、何故か一様に無表情。
当の夫となる夕雅は、見た目十代の若々しい青年。
あまりの年の差に内心慌てふためくテュベルーズの様子は可愛らしいところがあります。
そんなテュベルーズですが、彼女は実は魔女であり、スケッチブックに描いた絵を具現化できる魔法が扱えます。
テュベルーズは『色』に対してとても強い情熱を持っており、様々な色をスケッチブックで表現していきます。
美しい『色』に魅入られ、逆に自分はその美しさに見劣りする醜い女だと思い、だからこそ『色』の美しさに惹かれる。
王女の身の上であるが故に困難を強いられてきたテュベルーズは、事あるごとに自分を卑下しますが、嫁ぎ先で起きる様々な事件を『色』への情熱によって解決していきます。
そのようにして、彼女は嫁ぎ先で自分の居場所を作っていくのです。
緑壁国で肩身の狭い生活を送ってきたからこそ、その居場所は燦然と輝いて見えます。
テュベルーズの境遇と婚姻生活、夫となる夕雅との交流。
その果てに彼女が手にするものは何か、是非、ご一読ください。
緑壁国の王女テュベルーズ、33歳。もうこの時点で私はヒロインを全力で応援しようと決めました。だって、王女なのに33歳って!(泣)同世代として、生き遅れてしまった彼女の幸せを願わずにはいられない。さあさあどこへ嫁ぐのだと読み始めると、そこはどこか「和」を思い浮かべる島国、扇鶴国。輿入れの道中は色鮮やかで、テュベルーズの鮮やかな色彩感覚がきらりと光る描写は必見です。彼女は「彩りの魔女」でもあり、スケッチブックを使った魔法が使えるのです。
色に魅入られ、色を愛す。魔女としては半人前かもしれないけれど、過去につらいことが重なったテュベルーズが色鮮やかな世界に心惹かれていく様子は、本当に美しい。頑張り屋さんで、純真で、応援したくなるヒロイン(33歳)です。三十代の心当たりがありすぎる悩みによってファンタジー世界でもリアルさが光ります。ところどころグサッときました。
この作品の推しポイントは、旦那様が年下であるということ……!ここ、とても重要!オネショタなんて野暮な言葉は使わせない。だって旦那様の夕雅様はとっても紳士でスマートで優しくて包容力があって可愛らしいくてかっこいいのですから!!初心な二人のやり取りは目が焼かれます。屋内でもサングラスをかけて読むことをここに強くお勧めします。
からくりや神様や鬼など、扇鶴国独自のちょっと不思議な世界観も魅力的です。作者様の感性を惜しみなく注いだ珠玉の嫁入り。ぜひご一読あれ!
緑壁国の第三王女テュベリーズは、呪いの森で育った魔女でもあります。
冒頭、燦々と太陽が光る島国・扇鶴国に魔女帽子をかぶった彼女が登場するシーンに衝撃を受けました。
ひっそりした森の奥のさらに奥、じゃなく、乳白色の(きっとさらさらした)砂浜に亀から降りた魔女は、太陽の熱を集める正装の黒服が暑いのを隠して挨拶する。
繰り返しになりますが衝撃を受けました。
テュベリーズは色を操る「彩りの魔女」、眼に映る鮮やかなシーンが続くのを読み進めるうち、冒頭シーンは、意外性というのじゃなく、別の意味をもっていることに気付きます。
色彩が心を悲しませ、晴れやかにもしました。
美しいラストをぜひ御堪能ください。
皆様に心からおすすめします。
緑壁国の王女であり、武装魔女として育てられた主人公テュベルーズ。33歳。
武装魔女のしきたりに従い、テュベルーズが嫁入りしたのは、不思議な雰囲気漂う東の国「扇鶴国」。
テュベルーズはそこで、年下の愛らしくも紳士的な旦那様、夕雅へと嫁入りすることとなるが──。
テュベルーズさんと夕雅さん夫婦の組み合わせは非常に魅力溢れるものとなっております!
テュベルーズさんはどこか守りたくなるような、しかし、時には頼もしく守られたくなるような、まさに「彩りの魔女」の如くさまざまな顔を持った魅力的な女性です。
また、彼女の扱う彩りの魔法も、描写が目に浮かぶほど美しく、鮮やかです!
旦那様となる夕雅さんは、可愛らしく純粋な人ですが、それ以上に立派な紳士で、テュベルーズさんを素敵にエスコートしてくれます。
この夫婦、推さずにはいられません!!
他にも、テュベルーズさんが嫁入りする国「扇鶴国」の不思議でワクワクする雰囲気や、夕雅さんの伯父上も魅力的で見どころいっぱいです!
絶対に応援したくなる夫婦の物語が是非、たくさんの方々に届きますように。
そして、続きの物語も本当に楽しみにしております!
最高の物語をありがとうございました!
緑壁国の王女、テュベルーズが嫁いだ先は東の島国、扇鶴国。
それも年下の旦那様。
けれどこの旦那様は純粋で、紳士的。
三十三歳であるテュベルーズよりもしっかりしていて、頼れる旦那様だった。
その年下旦那様、夕雅に対して、テュベルーズはある秘密を抱えて嫁ぐ。
夕雅が優しければ優しいほど、テュベルーズはその秘密を打ち明けにくくなり。
また周りがよくしてくれればくれるほど、罪悪感に苛まれていく。
けれどテュベルーズには魔法がある。彩りを操る魔法を。
今作の見所は、まさにそこで、魔法の仕方や描写、色に関する知識など、とてもワクワクさせられました。
私にもこんな魔法が欲しい! そう思わせてくれる作品です。
是非、この彩り豊かな世界観を読んで、浸ってみてはいかかですか?
魔女であり嫁であるテュベールズ、33歳。
読み進めれば、「どれほど彼女が魅力的か」はひしひしと伝わってくる。しかし彼女が抱える問題は現代女性に通ずるものもあり、ファンタジーなのになんだかリアルなのだ。
まずはどうかどうか、彼女に幸せになってほしいと思いながら、読み進める。
そのうちに、この世界にあふれる色彩に、知らずのうちに引き込まれている。
「色」と「ことば」がまじわることで、この世界は絶妙に美しく色鮮やかに描かれる。
この作品のすごいところは、単に「色」を語るだけで終わらないところ。
いま流行りのパーソナルカラーをモチーフとしたエピソードもあり、ベースの知識がなければ描けない「色」がすんなりと描かれているのだ。
そして、序盤から最後まで一貫して魅力的な、旦那・夕雅。
年下だろうがなんだろうが、彼は十分すぎるほど魅力的な「男」だ。
正直で優しく、素直で可愛らしく、男らしい。旦那にしたい男性ランキングで、上位に食い込むことは間違いない。
ただし、さらに上を行くのがやはり嫁・テュベールズ。
最後の最後まで勢いが落ちることなく、彼女の魅力が惜しみなく描かれた作品。
彼らを取り巻くひとびと(+α)も非常に魅力的で、なんだか愛おしいキャラクターばかり。
最初から最後まで、飽きることなく楽しめる一作です。
色彩豊か、そんな言葉がこの物語には似合うだろうか。
訳ありの魔女のテュベルーズは、33歳にして初婚で他国――扇鶴国へと嫁ぐことになった。
その相手がなんと、少年だった。
そうテュベルーズは33歳。
少年の輝かしい肌艶などが、眩しい。
その表現がリアルで、もしかしたらテュベルーズに共感する方も多いはず。
そんな年齢差のある二人だが――
見どころは、やはりテュベルーズの色彩感だろう。
その感覚を活かした魔法が、幻想的で細やかな色の違いから、大胆な色彩使いと、様々な姿が浮かぶ。
個人的にも色の和名は好きで、その美しさが魔法の中で生き生きとしている。
テュベルーズの才能と優しさを体現したような魔法の魅力。
そして、旦那様との関係も見どころ。
お勧めです。
白だけで200色ある……というのは皆様もご存知かもしれませんが、もっと種類があることはご存知でしょうか。
このお話はたくさんの色に溢れ、お話を彩ってくれます。
彩ってくれるのは、彩りを操れる魔法を持つ魔女の主人公です。
そんな素敵な魔法が使える主人公と、年下で純粋な旦那様。
旦那様は年下ですが本当にしっかりされていて、紳士的でものすごくかっこいいお方です。
わたしに似合う色を、主人公と一緒に探したいな……絶対楽しいよな……なんて思いながら、読ませていただきました。
それだけ主人公は魅力的で、とても可愛らしい方です。
気がつけば、わたしの心も彩ってくれていたような、そんな気がします。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました。
皆様もぜひ、読んでみてください。
テュベルーズは、緑壁国の王女であり、色を操る魔女。
扇鶴国の皇太子、夕雅のもとに嫁がされるところから、物語は始まります。
嫁ぎ先の国民は皆歓迎してくれるものの、なぜか夕雅を除いて皆無表情で――?
そんな不思議な国には、秘密がありました。
一方、テュベルーズの方にも、母国から抱えてきた秘密が。
母国で役に立つことができず虐げられてきたテュベルーズですが、嫁入り先では色彩の魔法を駆使して、皆に認められることになります。
また、夕雅の望みは、交易を広げること。
テュベルーズは今後、その手伝いもしていくのでしょう。
(レビュー時点で第22話。先の展開が楽しみです)
テュベルーズと、年下の旦那様・夕雅とのピュアな会話も可愛い♪
美しい色彩があふれ出すような、素敵なお話です!