概要
最後まで喋らない、人化しない。転生タイガーと人類のドラマ
「あの獣との出会いが、私の始まりだったのだ」
激動と言われたある時代。
大陸史に様々な物語を刻み込んだ、綺羅星の如き英雄たち。
彼ら彼女らは、口を揃えてそう語った。
人間の希望であり絶望。妖鬼の絶望であり希望。龍にとってただ一つの天敵。
いくつもの戦争において勝敗を覆し、神々の行く末すら左右した伝説の大魔獣。
かの獣は、『白虎』と呼ばれる唯一無二の存在は、なにゆえ歴史に関わるのか。
えこひいきと思えるほど、一つの勢力に肩入れしたのは何故なのか。
現代に至るまで、それを解明した者はいない。
獣である彼と言葉を交わすことなど、誰にもできないのだから。
激動と言われたある時代。
種族間の優劣と大陸の勢力図が書き換わったこの時代を、後の歴史家は冗談交じりにこう表
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- ★★★ Excellent!!!獣になった人ではなく、人の記憶を持つ獣の話
力を求めても叶わぬまま死んだ男の魂が、冥府の神に拾われ、最強の個として生まれ直す。
「トラ」の存在しない世界において一種一頭の個体となる白虎は、人の記憶ではなく獣の力を以て、立ち塞がるものを打ち倒す。
人化もせず、人語も語らず、人に飼われもせず、圧倒的な身体能力のみを武器に、前世で得られなかった強者としての生を謳歌する。
主人公は獣の皮をかぶった人ではなく、その来歴もあり、野生動物として生きることに誇りを持っています。
前世の記憶から人間に親近感を抱きはしますし、異種族と心を通わせる場面もありますが、あくまで自分はトラだという核は崩しません。
私達の世界のトラがそうだったように、白虎も…続きを読む