第36話 フェニックス
百五十層、
「はあ、はあ、はあ、」
「ようやく倒せたな」
「キッツ」
「疲れましたぁ」
ボスはベヒーモス。
なんとか三人で勝てたが大きく硬くタフなベヒーモスとの戦いで消耗が激しい。
「今日はここまでにしよう」
「えっ?まだ十層しか降りて無いよ?」
「それだけ特級は大変だってことだよ」
このままどれだけあるかわからない層を降りて行っても気分が滅入ってくるだけだしな。たまには気分転換も必要だ。
「たまには鰻でも食いに行くか?」
「いよっしゃー」
「やった!」
「いいんですか?!」
「たまにはな」
静岡といったら鰻だろ?たまにはしっかり食べて英気を養い次に繋げる。
「美味い!」
「ふっくらしてて美味しいね」
「師匠、おかわりしてもいいですか?」
「おう、食べろ食べろ」
「やったー!」
鰻を食べて深海水族館に気分転換に行く。
「げっグロ!」
「えー、可愛いじゃん」
「怖いっ!」
「めんだこが可愛すぎる」
などなど楽しく回りお土産もたくさん買い込んだ。
ダイオウグソクムシのぬいぐるみなんてどうすんだよ?しかもXL。
「いやぁ、楽しんだねぇ」
「楽しかったー」
「深海魚って癖になりますね」
たのしんだならよかったがあとはスーパーに寄って買い出しだな、銭湯も行こうと思う。
やはり湯に浸かると違うからな。
銭湯からでてきた俺たちはそのまま買い出しに行ってまた富士山に戻ってきた。
「ここに戻ると引き締まると言うか」
「だね、これからまたダンジョン攻略だもんね」
「これでもリフレッシュしたんですから楽になりますよ」
「だな!これからが本番だ」
百五十層から始めて百六十層も超えて行く。
「まだ最後じゃなかった」
「何層まであるんだろ?」
「ここで最後じゃ無いのは苦しいですね」
みんなのレベルも上がっているがなかなかきつい戦いだ。俺一人ならそうでも無いと思うが、パーティーだから仕方ない。
「少しここらでレベル上げでもするか?」
「賛成!ちょっときついからね」
「ちょっとじゃ無いでしょ?」
「師匠、ここでもきついっす」
「いや、ここで楽になったら次に進もう」
「「「はーい」」」
それからはこの場所でレベル上げをする。
ここが楽になったら次の層へ、進みは遅いが単純に安全確保のためである。
「そろそろ上がるか!」
「「「はーい」」」
三人ともゆっくり寝ているのでゆったりコーヒーを飲みながら星を見て一人で過ごす。
翌朝もレベル上げをしながら下を目指す。
二百層、フェニックス。
何度攻撃しても回復してしまう炎の化身だ。全員で攻撃をするが一つもダメージと呼べるものが与えられず、逆にこっちが追い詰められて行く。
「悪い!みんな使うぞ!」
「はい!」
「ごめんなさい」
「師匠」
「フェニックス収集、粉砕」
粉砕されて行くはじから回復して行くが核があったようでそれが壊されるとフェニックスは灰になってしまった。ドロップ品はフェニックスの羽根と魔鉱石、あとエリクサーだった。
宝箱には刀の炎舞とカードのアイテムボックスが入っていた。
これでここのダンジョンは終わりらしい。
オーブがあり、外へと出ると攻略済みの紋が刻まれていた。
「はぁ、最後はやっぱりレクトさん頼りかぁ」
「しょうがないよ、あれは倒せなかったもん」
「そうですね、まだまだですね」
がっかりさせてしまったがあのままだと俺たちが危なかった。
「すまなかったな」
「なんでレクトさんが謝るのさ」
「そうだよ、あのままじゃ危なかったし」
「師匠がいなかったら死んでましたよ」
みんなで攻略がしたかったから挑んだんだが、まだまだ未熟だな。
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