第30話 富士山ダンジョン
日本最古のダンジョンといえば静岡県側から登る富士山スカイライン五号目にあるダンジョン。富士山ダンジョンが有名だ。
「ふーじさーん」
「ふーじさん」
「……」
「アズサ、酔ったなら外見とけよ」
「はい」
相変わらず二人は元気だがアズサは酔ってしまったようだ。途中で止まって景色でもみるか。
「わー、綺麗!」
「感動するわね」
「すいません」
「いや、丁度休憩したかったからな」
車で遠征中だ。
富士山ダンジョンに行くためだが俺の運転が荒いのかアズサがダウン。先が思いやられるな。
「ふぅ、だいぶ楽になりました」
「酔い止めのんどけば?」
「酔い止めあるよ」
「ありがとうございます」
富士山ダンジョンは特級ダンジョンだからちょっと連れてくるのは迷ったが、どうしてもついてくると言われ、根負けしてつれてきた。
何層あるかも分からない。誰もが挑戦するが攻略はまだした事ないらしい。
「ふぅ、まだ早かったかな」
もう少しレベル上げをさせるべきだったかもと思ったがここまで来たら腹を括ろう。
「よし、休憩終わり」
「うす」
「りょーかい」
「もう大丈夫です」
車はまた五号目を目指して進む。
「なんか人が多いな」
「本当ですね」
車を停めて降りて行くと、
「あー!レクトさんやないですか!」
「あー!梅田クラン?!」
「なぜここに?」
梅田クランの狭間と柳、他にも何人かいる。
「そら富士山ダンジョンに挑戦するためです」
「まじか、被った」
「よかったら一緒に行きませんか?」
「いや遠慮する。こっちはこっちでやるよ」
「そうですか、そら残念です」
「狭間さん、そろそろ」
「なら先に行かせてもらいますね。あんたらいくで!」
「「「おぉ!!」」」
気合いを入れた梅田クランの面々が先に入って行く。
「俺らはニ時間後に入ろう」
「はーい!」
「それまでお菓子食べよ!」
「はーい」
車の中で時間を潰す。
梅田クランはまた大型バスで来たみたいだな。何人か残っている。緊急時の対策かな?
二時間経ったので俺たちも装備をし、富士山ダンジョンに入って行くと、そこは石がゴロゴロした荒地だった。
「最初からフィールド型かよ」
「なかなか荒れてるね」
「ほうほう、空もあるねぇ」
「…敵はどんなんでしょうか?」
「来たぞ」
現れたのは落武者の様なスケルトン。
「スケルトン核収集、粉砕」
一層からスケルトンが出てくるとはな。
ドロップ品を収集してアイテムボックスにいれる。
さて、ここから下への階段を探すのが大変だ。
「ありました!」
「うし!」
ようやく見つけて二層へ。
二層はマグマスライム。魔法で凍らせてから斬る。流石に収集する気にはなれないな。
ヒナ達も普通に倒している。
ゴールドスライムはいたので収集して斬る。カードは三枚、火耐性のカードだったからヒナ達に渡しておく。
先に進んだところでようやく三層目の階段を見つける。梅田クランは何処まで行ったかな?もう五層は突破しているといいが。
三層、四層と攻略していき、五層目にたどり着く。岩石を纏ったミノタウロスが相手だ。
『ブモオォォォォ』
「うるさい!」
一閃で斬り裂いて退かすとまだまだいるな。
「ミノタウロス収集、焼却」
『ブモオォォォォ』
これで辺りは静かになった。
とりあえずドロップ収集していると、宝箱を見つけたので罠を確認してから開ける。
「鎧?」
そこには兜鎧が入っていた。
「誰が着るんですか?」
「着ないだろ?」
アイテムボックスの肥やしだな。オークションに出せばそれなりで売れるだろう。
十層まで来たが梅田クランはいない。
ボスは大きくなった岩石ミノタウロス。
大きくなっただけで変わらないのはいいことだ。一閃で岩石の間を斬る。
直ぐにドロップ品に変わり、宝箱が出てくる。
「ミスリルのインゴットだな」
「ミスリル!何か作って!」
「帰ってからな」
アイテムボックスにいれて十一層に向かう。
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