第31話 四十層
「狭間さん!先行しすぎです!」
「ついて来れんっちゅうんか?」
「いえ、そう言うわけでは!」
「ならいくで!」
三十二層を攻略中の梅田クランは狭間がやる気を出しすぎていて少し陣形が崩れている。
マグマ熊と戦闘していて狭間の使う鉄扇に斬られてドロップ品に変わる。
柳も負けずに日本刀で斬りつけドロップ品を収集している。
タンクの小林、魔法使いの田中、鈴木はこの二人について行くので精一杯だ。
いつにも増して気合の入っている狭間について行く柳ももう少し陣形を考えてほしいと考えていた。
♦︎
二十層を超えてからまた一段と暑くなってきている。ヒナ達には火耐性のカードを破かせといて良かった。
暑いのはしょうがないが、敵が多いのが鬱陶しい。
先行している梅田クランは大丈夫なのか?
「うりゃ!」
「アイスランス」
「シッ」
「おら!」
息つく暇もなく湧いて出てくるモンスターに少しうんざりしてきて収集、焼却を使ってしまう。
「今回は多かったですね」
「多いよー」
「泣き言いわない」
「いや、明らかに多い。こんなにリポップが早いのか?それとも梅田クランが早いのか」
「梅田クランは二時間も前に入ってるんだからまだ追いつけないんじゃないですか?」
まぁそう言うことなんだろうが、妙に胸騒ぎがするな。
「まぁ少し休憩してから先に進もう」
「はい!」
アイテムボックスから各々飲み物やアイスを出して食べている。
そして小休憩を取って三十層のボスを倒しに行く。
三十層はサラマンダー、地龍に近い火のトカゲだ。
「アイスストーム」
「はあぁ!」
「シッ」
「うらぁ」
アイスストームが効いているのでこっちはやりたい放題で、首を最後に斬り落としドロップ品にかわる。宝箱には火耐性のグローブとカードが一枚、また火耐性だが俺が使う。
火耐性のグローブはヒナが使うことになった。
三十一層から少しモンスターが少なくなってきた。
リポップが追いついてない、梅田クランが近いのかもしれないな。
ついに前方で戦っている梅田クランを見つけたが満身創痍だな。
「しゃあ!」
「おら!」
「アイスエッジ」
「こら魔法は温存せい」
「そんなこと言うてられないっすよ」
「そうやそうや!」
何故か陣形も崩れている様で少し不安になるな。
「あ、レクトはん」
「ホープクランに追いつかれた」
「やめやめ、ここは小休憩とろう」
狭間がその場で座り込む。
「こっちは先に行くぞ?」
「えぇ、つれないなぁ」
「それよりリーダーだろ?陣形も崩れてたぞ?」
「そや!言うたれ!この馬鹿リーダー」
「お前ら後で覚えとけ」
狭間が鉄扇を叩きつける。
「柳もご苦労さん」
「いえ、大丈夫です」
柳も肩で息をしている。
「ほい、ポーションだ、すこしは休憩とってからまた進んでこいよ」
ポーションを全員分あげると喜んでいる。
「まだ三十六層や、まだまだいくで?」
「いや。仲間の方が大事だろ。あまり無理するなよ」
「分かっとるけど抜かされるんは嫌や!」
「はぁ、んじゃ四十層で俺らは一旦外に出るからその間に抜かしていきなよ」
「分かった」
納得してない様だが別に抜かしても抜かされてもどっちでも構わないんだがな。
四十層、地龍グワンガス。
「ブレスに気をつけろ!」
「はい」
ブレスを放ってくるグワンガスに、避けて足元に潜り込み斬り崩す。
あとはアズサが首を斬りつけ、ミアが魔法で攻撃、ブレスを避けて短剣の二刀流でヒナが攻撃していく。
最初に足を狙って良かった、あまり動けないらしい。
ラストは袈裟斬りにしたら倒れた。
ドロップ品は地龍の盾と皮、魔鉱石。
宝箱にはアダマンタイトのインゴットが三つにカードが一枚、斬撃強化のカードだったのでアズサに使わせる。
ここで一度外に出る。
もう夕方になっていた。
車の中からキャンプ道具を取り出してキャンプの準備をしていると、
「狭間さん達に会いませんでしたか?」
「あって多分四十層で帰ってくると思うけど」
「良かったそうですか!」
無理だけはするなよ。
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