第8話 ダンジョン


「昨日は楽しかったな」

 あのあと二人が飲み比べを始めてたいへんだったけどね。

 スマホに通知が来た。

 二日酔いらしい。無理すんなよと返しておいた。

 俺は初級ダンジョンにカードを取りに行って帰ってくると、火魔法のカードを合成してみた。火焔魔法というカードになった。これはと、他の魔法カードも合成してみると、水氷魔法、風雷魔法、土木魔法になった。もちろん全部破いた。

 あとは追尾短剣と電撃短剣を錬金したらシューティングスターという短剣になった。まだあったので作っているとシューティングスター+5になった。

 面白いなあ、もっと素材とっとけばよかったな。


 まだ昼過ぎだし今から取りに行くか。

 着替えて出る。

 中級ダンジョン一層でゴールドスライムを倒してカードを取ると、素材に良さそうなところで狩りをする。

 十八層に着いた時に悲鳴が聞こえたのですぐに駆けつけると、ミアだった。

 ここはトレントだったが。捕まっているのはビッグトレント。

「『ミア収集』大丈夫か?」

「え?レクト?」

「倒してくる」

 一閃で倒すと、ドロップ品の収集をする。

「どうしてここに?」

「素材集め」

「良かったよー助かったよー」

 ミアの戦闘スタイルは魔法か。

「火魔法は持ってないのか?」

「もってないよー、高いんだもん」

「ほら、危ないからとっとけよ」

 火魔法のカードを渡す、

「こんなのもらえないよ」

「なら捨てますよ?」

「何でそこまで?」

「昨日は楽しかったです。また一緒にご飯食べましょうよ」

「へ?それだけ?」

「それだけですよ」

 火魔法のカードなんてまた取ればいい。

「あはは、そこは口説く所じゃないの?」

「あははは、そんな気はないですから」

「もらっていい」

「どうぞ」

 ミアは破いて火魔法を取得する。

「借り一つね」

「分かりました貸し一つですね」

「行くんでしょ」

「はい、じゃあ頑張って下さい」

 レクトは去っていった。


「ばーか、惚れちゃうじゃん」


 ミアと別れたレクトは二十層まで来ていた。アイアンコングを瞬殺して。宝箱からポーションを取り出す。

「ポーションも持っておかないとな」

 回復魔法をまだ持っていないためポーションは貴重だ。


 三十層、キメラを瞬殺して宝箱から杖を取り出す。タクトといった方がいいだろうか。

これで、魔法が使いやすくなるならミアにあげるのもいいかもしれないな。

 ドロップ品の収集をして外に出る。

 ヒナからメールが来ていた。

「二日酔い治った!」

 良かったじゃんと返信してスマホを閉じる。

 さて帰って実験していこう。



 ミアのスキルは水魔法だ。

 それに火魔法が加わり快進撃を繰り出していた。二十層のアイアンコングを倒して宝箱からカードをゲットした。火魔法のカードだ。だが返す気はない。借り一つのまま繋がりを持っていたいから。

「ヒナには悪いけど本気になっちゃうよ」

 そう独り言を言うと次の階層へ足を進める。



 俺は家に帰ると錬金でポーションをつくっていた。低階層で全て揃ったので作り溜めだ。アンプルになるような素材はないのにアンプルになるのはおかしな気がするがそういうものなんだろう。持っていって松崎さんにも渡しておこう。


 あとは鑑定を合成して精密鑑定になったので破り取っておく。


「あーつかれたな」


 初級ダンジョンでゴールドスライム収集する。カードを集めると、直ぐにギルドビルへ。

 ステータスカードを更新する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

瀬古 礼玖人セコ レクト25歳

 レベル98

 力 S

 体 S

 速 S

 知 S

 魔 S

スキル 収集 分別 アイテムボックス 剣術 火焔魔法 水氷魔法 風雷魔法 土木魔法 精密鑑定 合成 錬金

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 おぉ、これはやばいな。この前とった隠蔽を使っとくか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

瀬古 礼玖人セコ レクト25歳

 レベル63(98)

 力 B(S)

 体 A(S)

 速 B(S)

 知 B(S)

 魔 B(S)

スキル 収集 分別 アイテムボックス 剣術(火焔魔法 水氷魔法 風雷魔法 土木魔法 精密鑑定 合成 錬金 隠蔽)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 とにかくこれでいいだろ。

「おっはよー!」

「おうおはよヒナ」

「おはよう」

「おはよミア」

 ヒナとミアがきたがヒナは元気だがミアは疲れているようだ。

「ミア大丈夫か?」

「大丈夫よ、ありがとう」

 心なしか笑顔が暗い。

「えー、ヒナには?」

「お前は元気そうだな?」

「うん!元気」

 だろうな。

「ミアはたまには休んだ方がいいんじゃないか?」

「うん。そうしようかな?」

「そうか。お大事に」

「あ、ポーション飲むか?自作だけど」

「自作?大丈夫なのそれ?」

「大丈夫のはず」

「いただくわ」

「え、大丈夫なの?」

「信じてるもの。グビッ」

 ミアはアンプルを折って飲んだ。

「おぉ。効くねぇ!」

 少し体が光っている。

「大丈夫だろ?」

「うん!ありがとう」

 少しは元気が出たみたいだ。


「今日はどうするの?」

「ん?中級ダンジョンに行こうと思ってるけど」

「私も行きたい!」

「いやいや、まだ十「二十層まで昨日行ったの」まじか」

「あと十層だからもうちょっと待ってて」

「いや、待つのはいいけど、今日はやめとけ」

「でも」

「はいはい、今日はミアは休み」

「だな」

「でも」

 ミアは追いつきたいんだろうがこの調子だと何処かで力尽きるな。

「俺らも先に進まないから明日にしろよ」

「そうそう、私とレクトで中級をちょっと回ってくるだけにしとくよ」

「そうなの?本当に?」

「あぁ」

「嘘じゃないよー」

「ヒナが言うと嘘っぽい」

「なにー!じゃあいいもん」

「うそうそ!」

 本当に二人は仲良いな。

「それじゃ今日は休んでくる」

「はいよ」

「ゆっくりしてろよ」

 ミアはそれから帰っていった。

「レクト!中級回ろっか!」

「だな」




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