概要
その女は、理想の夫だけを愛す
白雪工房様主催の自主企画に向けての作品、第二弾です。追記課題は私の手に余るものだったので、別のお題での挑戦です。選んだのは「過去」、「ヒト」、「拳銃」、「傘」、「テセウスの船」。
そして、おまけ程度に「最後の晩餐」です。
~~あらすじ~~
二ヶ月前に、内縁関係にあった夫を亡くした佐伯柚希。警察によると事故死とのことだったが、彼女は他殺の線を睨んでいた。真相を知るため、夫の昔馴染みの探偵に調査を依頼することに。そうして彼女は隠された真実を知る。憶測が確信に変わったことを皮切りに、事態は最悪の方向へと転んでいく。
そして、おまけ程度に「最後の晩餐」です。
~~あらすじ~~
二ヶ月前に、内縁関係にあった夫を亡くした佐伯柚希。警察によると事故死とのことだったが、彼女は他殺の線を睨んでいた。真相を知るため、夫の昔馴染みの探偵に調査を依頼することに。そうして彼女は隠された真実を知る。憶測が確信に変わったことを皮切りに、事態は最悪の方向へと転んでいく。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!黒く妖しく輝く星の輝きよ。
死んだ彼はケダモノだった。犯れることなら大体犯ったような人だった。
彼を喪って私の生活もぼろぼろと崩れていった。
死の真相を探るうちに見えてくるのは、破滅への抗いがたい魅力であった。
・
この作品は非常に黒い。
テーマ性とか所業がではなく、表層のみに留まらない破綻者の描写が黒い。
傷んだ食道にテキーラを流し込むかのような突き抜けた痛快がある。
タイトルにもある通り、この作品はケダモノたちの日常、それこそ手慰みのようなものなのだろう。
その中でどれだけ破滅や悲鳴やロマンスが生まれようとも、それは彼らにとっては慣れた雑踏でしかない。
読んだ私はそんな雑踏に迷い込んだ旅…続きを読む - ★★★ Excellent!!!船を何度組み立て直しても船であるように、人ってやつは何度組んでも人だ。
テセウスの船。有名な思考実験のひとつだ。パーツを換装して、しまいには元のパーツが無くなってしまった船は最初の船と同じなのか。
そんな問いだ。
その有名な思考実験をベースに組み立てられたこの話は、人間をどう着飾って組み立て直して、元の姿を失わせたって、本質の人間らしさ。濁りのようなものは変わらないままだと教えてくれるような毒が滲んでいる気がする。
しかし、生憎と、解釈ってのは万人に共通で与えられる形質のものではない。
それだから、自らの解釈を見つけるために。
例えば、いくつかの文を読むための取っ掛かりでもいい。この文章を一読してみることを推奨する。
尊大な口調で申し訳ない。
推薦文の類いは慣…続きを読む